novelmber 2023

 いつしか部屋に住み着いたものがいる。基本的に俺の生活に干渉してこようとはしないのだが時々、小さな声で頼み事をしてくる。ラーメンの残り汁をくれとか、風呂場の戸を開けてくれとか。
 よく分からないけど害もなさそうだし、俺は全て承諾してきた。
 でも流石にさっきの「指先頂戴」には首を振ったわ。

 承諾しなければ諦めるらしいってのは救いだな。もしかしてちょこちょこ小さくてどうでもいい頼み事をしてくるのは、慣れてテキトーに頷くようになるのを待っていたりして。
 ……なんて、そんなわけないよな。
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