海鼠の夢

海の底へ 潜る 潜る 潜る
 喧騒はすぐに 遠ざかって消える


手足は持たずに 横たわって
(誰にも見つかりませんように)


海の底で 眠る 眠る 眠る
 光が 幾束もの筋になって注ぐ


祈りはあの星に 届いたろうか
(それならきっとあの子に会える)


水の光が僕を揺らす
 水の光が僕を浚う
  僕を君の住む世界へと、運ぶ


海の底に 沈む 沈む 沈む
 静寂の中で
  僕は生きる

  
(世界が終わるその時まで、君以外の誰かに、起こされたくないな)
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