チョコの効能
その時の感覚が急に蘇ってきて、おれはパソコンの前で突っ伏した。
「ちょっ、夜淵? おい大丈夫か」
川村が慌てたように言う、その声でようやく、おれは現実に戻った気がした。顔が赤くなっていないか気にしながらも、時計を確認する。先ほど川村と会話を交わして、数分しか経っていない。
「……大丈夫……。ちょっと、疲れただけ……」
「もう帰った方が良いんじゃないのか」
「いや、でも……」
あの時の空の表情や身体の動きが思い出されて、どうにもじれったい気持ちに急かされる。しかし、仕事はまだまだ山積している。うんざりしながらパソコンの画面を見つめていると、机上のスマートフォンに通知が来ていたことに気が付いた。空からのメッセージだ。
『またチョコ買っちゃった。早く帰って来てね』
「じゃあ帰るわ」
「お、おお……決断速いな。お疲れさん」
川村に手を振って、おれはさっさと職場を後にした。仕事など、している暇は無い。あの夜のチョコの香りを思い出しながら、おれは空の待つ家へと歩き出した。
「ちょっ、夜淵? おい大丈夫か」
川村が慌てたように言う、その声でようやく、おれは現実に戻った気がした。顔が赤くなっていないか気にしながらも、時計を確認する。先ほど川村と会話を交わして、数分しか経っていない。
「……大丈夫……。ちょっと、疲れただけ……」
「もう帰った方が良いんじゃないのか」
「いや、でも……」
あの時の空の表情や身体の動きが思い出されて、どうにもじれったい気持ちに急かされる。しかし、仕事はまだまだ山積している。うんざりしながらパソコンの画面を見つめていると、机上のスマートフォンに通知が来ていたことに気が付いた。空からのメッセージだ。
『またチョコ買っちゃった。早く帰って来てね』
「じゃあ帰るわ」
「お、おお……決断速いな。お疲れさん」
川村に手を振って、おれはさっさと職場を後にした。仕事など、している暇は無い。あの夜のチョコの香りを思い出しながら、おれは空の待つ家へと歩き出した。