2024年

「これ投げたの貴方?」
 波間から声が聴こえて振り向いた。浮かぶ人魚の手に見覚えのある小瓶。
「それ……」
 確かに投げたのは私だ。でもそれは数日前のこと。それも、人魚に拾って欲しかったわけではない。
 高く差し上げた人魚の手に、瓶に封入した紙切れを見つける。
「友達、なってあげよっか」
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