2025年

 夢の中でいつも私を襲う男がいた。それが夜の道に立っていた。
 ここは現実の筈だ。
 思わず立ち竦むと、男はニヤニヤ笑いながら近づいてきて耳元で囁いた。
「現実でも会えて嬉しいよ。でも今は君を傷つける物を持っていないんだ。ではまた、」
 ニヤケ顔が歪み、男は私がナイフを突き立てた腹を押さえた。

お題「ではまた、」
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