2025年

 脳さえあればいい、という急進派が台頭した結果、地球人類の半分が体を捨て、脳だけで生きる道を選んだ。彼らは脳だけで歩き会話し、触れ合いを楽しんだ。
 やがてまどろっこしいことをする必要はないと気づいた彼らは、ドーパミンに心酔した。多幸感のまどろみの中で、彼らは永遠に彼方の人となった。

お題「多幸感」
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