2025年

 忠犬ペロは私の送迎役だ。朝には家から学校までの道を、夜には塾から家までの道を、私をエスコートするように連れ添って歩いてくれる。怪しい人物には唸り声をあげるので、夜道では心強い。
 けれどペロは、もう家に入れない。私以外にはもう見えない。
 私のことを一番、心配してくれたペロだった。

お題「慕わしい」
9/37ページ
スキ