悪魔のお気に入り

「まさかマイケルやお前まで、ここに来ていたとはね」
 帰り道、俺の運転する車に乗った天使が面白そうに言った。お化け屋敷が途中で閉場してしまい、道路は困惑顔の客達で溢れている。
「俺も驚いたよ」
「しかし、お前がマイケルを助けるとは思わなかった。優しいな」
「それは……」
 反論が見当たらなくて、言い淀む。確かにあの場面でマイケルを助けたことに、合理的な意味はない。気がついたら指を鳴らしていたのだ。
「ふふ、すごい顔してるよ」
「……勘弁してくれ」
 パトカーが俺の車を追い越してゆく。一瞬、廃人同然となったあの男の姿が目に入る。
「まあ、タダ働きにならずに済んで、よかったぜ」
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