ハロウィンノベルパーティー2025

 そのコウモリは月が好きだった。視力は弱くとも、光は感じ取れる。夜闇の世界に数多差し込む光の中で、月の光がいっとう好きだった。

 仄白く弱く、優しい光。

 彼はある晩、月を目指して飛んだ。超音波で測れない程の距離があると知りながら。

 空気と共に薄れる意識の中で、それまでで最も強い光を感じた。

お題「月とコウモリ」

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