ハロウィンノベルパーティー2025

 私にしか見えない黒猫を飼っている。

 普段は気ままに家中を歩き回り、私の呼びかけにも澄まし顔を向けるのみ。けれど年に二度は必ず、涙に明け暮れる私に、温度のない体を寄せてくれる。

 他の人にも見える黒猫だった彼が初めてここに来た日と、行ってしまった日。

 いい猫だった。

 君は本当にいい猫だった。


お題「黒猫」

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