絶対音感は風邪ひくとつらいよ
晴歌は買い込んできた食材を選別しながら、コンロに鍋をかけた。手っ取り早く栄養を取りたいときには鍋が楽だ。電気ケトルの湯が沸くのを待ちながら、カット野菜を鍋に放り込んでいく。
「熱はあんの?」
結局当然の如くアパートまでついて来た暁時に、晴歌は首を振った。
「熱はないんだが、寒気とだるいのと、頭がガンガンする」
暁時は流しに寄りかかり、晴歌の顔を凝視した。
「本当にお前はポーカーフェイスだよな。大体いつも一緒にいるってのに、お前が具合悪いってのを見抜けた試しがねえ」
「別に見抜けなくていいんだよ……」
晴歌は沸いた湯を鍋に注ぐ。もうもうと湯気が立つ。
「てかお前、いつ帰るの」
「気が向いたら」
暁時はその日は気が向かなかったらしく、晴歌が眠って起きても、まだ同じ部屋にいた。朝、晴歌の具合はすっかりよくなっていたが、暁時が寒気とだるさと頭痛を訴え、呆れた晴歌が家まで送って行った。
「熱はあんの?」
結局当然の如くアパートまでついて来た暁時に、晴歌は首を振った。
「熱はないんだが、寒気とだるいのと、頭がガンガンする」
暁時は流しに寄りかかり、晴歌の顔を凝視した。
「本当にお前はポーカーフェイスだよな。大体いつも一緒にいるってのに、お前が具合悪いってのを見抜けた試しがねえ」
「別に見抜けなくていいんだよ……」
晴歌は沸いた湯を鍋に注ぐ。もうもうと湯気が立つ。
「てかお前、いつ帰るの」
「気が向いたら」
暁時はその日は気が向かなかったらしく、晴歌が眠って起きても、まだ同じ部屋にいた。朝、晴歌の具合はすっかりよくなっていたが、暁時が寒気とだるさと頭痛を訴え、呆れた晴歌が家まで送って行った。