製作裏話
「Lotus in the mud (親友編)」の裏話
2022/12/31 14:04こんにちは。佐都です。
ご閲覧いただきありがとうございます。
最近、フォレストページ+のフリーページで、文章の雛形を保存できると気づいた佐都です。フォーマットが決まっている文をよく書く方には、オススメしたい方法です。ウェブにアクセスできれば、Wordだろうがメモ帳であろうが、定型の文章を作成できますよ!
今回は「Lotus in the mud」の「距離」~「歩み、寄る」裏話。年の暮れにドドドッと更新しました。長いですので、年末年始の休暇のお供にしていただきましたのなら、身に余る光栄です。
気軽にネタバレをしていきますので、作品をお読みになったほうが楽しめるかと存じます。そして、いつも以上に長い。
それではどうぞ。
=====<一応の切り取り線>=====
まずは懺悔を。キャラ同士のケンカ・夢主の家族登場・陽介の家族大捏造とやりたい放題やらかしました。
私自身のアイデア引き出しの少なさ・盛り込みたい内容を上手くまとめる構成力と文章力など、もろもろの力不足を痛感した執筆過程となりました。
執筆動機は「夢主と陽介に関係が親友に落ち着く過程を書きたい」および「夢主の人となりを掘り下げていきたい」でした。
そのために描かなければならなかった課題一覧がこちら。
・陽介が小西先輩に恋心を抱く。夢主との関係は親友止まり。
・夢主の性格・価値観の根拠となる過去。
・過去というより相手の価値観を明かさなければいけなくなるような衝突。
……正直、書きたいことを盛り込みすぎたと思います。不可解に思われた方もさぞいらっしゃるでしょう。
言い訳でしかありませんが、キャラの行動理由や盛り込みたかった設定・独自解釈に関してコチラで明かしていこうと思います。後々の私に対するメッセージとしても。
▶陽介が怒った理由について。
原作の陽介は、沸点が非常に高いんですよね。千枝ちゃんと言い合いはしているけれど、あれはじゃれあいの範疇ですし、大体彼は、(ムドオンカレーという例外はありますが)自分が傷つけられても怒りません。原作で怒ったのも、非常識なアルバイターが番長に矛先を向けたとき、生田目が罪から逃れようとしたときくらい。
ゆえに、なぜ「距離」で怒ったのか。不可解な人もおられるかと思います。怒ったというより、夢主に裏切られたゆえの悲しみです。ジュネスや八十稲羽で彼が溜め込んでいた不満に引火して私には強いように思います。
前提として陽介は夢主を「ジュネスの息子ではなく、『花村陽介』を見てくれている」という信頼があります。
その人間が、自分の慕っている人間を疑い、彼が苦痛としている「ジュネスの息子」というレッテルを持ち出したら、きっと彼は裏切られたショックを受けるのではないかと思いました。
さらに悪いことに、転校して間もない頃(原作のコミュでも言っているのですが)彼は「ジュネスの息子」として敵意を向けられる機会が多かったと聞きます。だったら相当ストレスを溜め込んでいたはずです。
夢主に裏切られたショックが引き金となり、彼の中に溜まっていたストレスおよび、なんでも出来て苦労していない(ように見える)夢主への嫉妬が爆発してしまった。そういう流れで、彼に辛い想いをさせてしまいました。本当にごめん。
▶夢主
過去が重い。これにはある程度理由がありまして、私が何の努力もしないで頭が良かったり、身体能力が高いキャラを書こうとするとグオオッと拒絶反応を示すからです。
それが何らかの伏線であったり、それに対して葛藤・何かしらの問題を抱えている。もしくはその性質によって物語を進める役割を担っているならOKなのですが、ただ単に「能力があるという」文字列だけで、文中からそれが感じられないのは嫌だなぁと。
(例えば、P4の番長君。特捜隊のリーダー、つまり、人を統率する立場であり、物語を進める役割を担っている。ゆえに元から頭が良くとも納得できる。元から頭が良くて問題を抱えている人と言えばドラマ『相棒』の右京さん。彼は頭が良いけれど、それゆえに人との衝突が起こりやすく、物語の進行にクッション役の相棒が必要になる)
したがって、登場人物の性格とエピソードが結びつくようなキャラ造形をしたいと常々思っております。
過去が重くって、現実にいそうな等身大の登場人物が魅力的なP4に沿っているかなぁ……ちゃんと馴染ませてあげたいなぁと思うこの頃です。
▶陽介の父親。
集められる資料と情報から、何とか構想した人物になります。陽介の性格(突っ込み気質・世話焼きetc……)や、独特のネーミングセンス(P4Gの夜会話)から、親しみやすく天然でボケに走る人物なのではないかと。陽介がスノーボードを経験している経歴から、何かアウトドアを趣味にしているのかなぁと想定しました。ただ、奥さんが大好きなのは私の趣味で盛りました。(公式作品でも花村夫妻の仲睦まじさはほのめかされていますが)
▶小西早紀先輩
この人も独自解釈。作品群見ても情報が少ない上に曖昧で、本当に人柄が掴めない。けれど、何とか陽介が彼女を好きになったきっかけを描きました。テレビの中の『コニシ酒店』の言動を基にしているとはいえ、父親が非常に保守的で横暴な人間になってしまった。そういう成り立ちもあって、彼女の強い責任感や自立心、逃避願望に繋がると思ったのですが……。辛い目に合わせてしまった。
▶夢主の母親 水奈子(みなこ)さん
オリキャラ。夢主の性格や生い立ちを語るに当たって登場させました。佳菜ちゃんといいオリキャラが多い。
▶『喫茶 La Pause 』
八十稲羽の地理、大捏造。稲羽の丘陵に一角を構えるカフェになります。八十稲羽は地元特有の野菜があるし、そういうのを提供するお店があってもいいのでは? と登場させました。店名『La Pause』はフランス語で”一休み”あるいは”憩いの場”という意味。来客者様がゆとりをもって料理や時間を過ごせるようコンセプトされているため、各席の機密性が優れています。ゆえに、水奈子さんは陽介とゆっくり話すためにも、人目を気にする陽介のためにも、このお店に招待したという裏設定があります。
以上、解説になります。少しでも舞台および登場人物に関して、不可解に思った方への解説となれば幸いです。
それでは、お読みくださってありがとうございました!
ご閲覧いただきありがとうございます。
最近、フォレストページ+のフリーページで、文章の雛形を保存できると気づいた佐都です。フォーマットが決まっている文をよく書く方には、オススメしたい方法です。ウェブにアクセスできれば、Wordだろうがメモ帳であろうが、定型の文章を作成できますよ!
今回は「Lotus in the mud」の「距離」~「歩み、寄る」裏話。年の暮れにドドドッと更新しました。長いですので、年末年始の休暇のお供にしていただきましたのなら、身に余る光栄です。
気軽にネタバレをしていきますので、作品をお読みになったほうが楽しめるかと存じます。そして、いつも以上に長い。
それではどうぞ。
=====<一応の切り取り線>=====
まずは懺悔を。キャラ同士のケンカ・夢主の家族登場・陽介の家族大捏造とやりたい放題やらかしました。
私自身のアイデア引き出しの少なさ・盛り込みたい内容を上手くまとめる構成力と文章力など、もろもろの力不足を痛感した執筆過程となりました。
執筆動機は「夢主と陽介に関係が親友に落ち着く過程を書きたい」および「夢主の人となりを掘り下げていきたい」でした。
そのために描かなければならなかった課題一覧がこちら。
・陽介が小西先輩に恋心を抱く。夢主との関係は親友止まり。
・夢主の性格・価値観の根拠となる過去。
・過去というより相手の価値観を明かさなければいけなくなるような衝突。
……正直、書きたいことを盛り込みすぎたと思います。不可解に思われた方もさぞいらっしゃるでしょう。
言い訳でしかありませんが、キャラの行動理由や盛り込みたかった設定・独自解釈に関してコチラで明かしていこうと思います。後々の私に対するメッセージとしても。
▶陽介が怒った理由について。
原作の陽介は、沸点が非常に高いんですよね。千枝ちゃんと言い合いはしているけれど、あれはじゃれあいの範疇ですし、大体彼は、(ムドオンカレーという例外はありますが)自分が傷つけられても怒りません。原作で怒ったのも、非常識なアルバイターが番長に矛先を向けたとき、生田目が罪から逃れようとしたときくらい。
ゆえに、なぜ「距離」で怒ったのか。不可解な人もおられるかと思います。怒ったというより、夢主に裏切られたゆえの悲しみです。ジュネスや八十稲羽で彼が溜め込んでいた不満に引火して私には強いように思います。
前提として陽介は夢主を「ジュネスの息子ではなく、『花村陽介』を見てくれている」という信頼があります。
その人間が、自分の慕っている人間を疑い、彼が苦痛としている「ジュネスの息子」というレッテルを持ち出したら、きっと彼は裏切られたショックを受けるのではないかと思いました。
さらに悪いことに、転校して間もない頃(原作のコミュでも言っているのですが)彼は「ジュネスの息子」として敵意を向けられる機会が多かったと聞きます。だったら相当ストレスを溜め込んでいたはずです。
夢主に裏切られたショックが引き金となり、彼の中に溜まっていたストレスおよび、なんでも出来て苦労していない(ように見える)夢主への嫉妬が爆発してしまった。そういう流れで、彼に辛い想いをさせてしまいました。本当にごめん。
▶夢主
過去が重い。これにはある程度理由がありまして、私が何の努力もしないで頭が良かったり、身体能力が高いキャラを書こうとするとグオオッと拒絶反応を示すからです。
それが何らかの伏線であったり、それに対して葛藤・何かしらの問題を抱えている。もしくはその性質によって物語を進める役割を担っているならOKなのですが、ただ単に「能力があるという」文字列だけで、文中からそれが感じられないのは嫌だなぁと。
(例えば、P4の番長君。特捜隊のリーダー、つまり、人を統率する立場であり、物語を進める役割を担っている。ゆえに元から頭が良くとも納得できる。元から頭が良くて問題を抱えている人と言えばドラマ『相棒』の右京さん。彼は頭が良いけれど、それゆえに人との衝突が起こりやすく、物語の進行にクッション役の相棒が必要になる)
したがって、登場人物の性格とエピソードが結びつくようなキャラ造形をしたいと常々思っております。
過去が重くって、現実にいそうな等身大の登場人物が魅力的なP4に沿っているかなぁ……ちゃんと馴染ませてあげたいなぁと思うこの頃です。
▶陽介の父親。
集められる資料と情報から、何とか構想した人物になります。陽介の性格(突っ込み気質・世話焼きetc……)や、独特のネーミングセンス(P4Gの夜会話)から、親しみやすく天然でボケに走る人物なのではないかと。陽介がスノーボードを経験している経歴から、何かアウトドアを趣味にしているのかなぁと想定しました。ただ、奥さんが大好きなのは私の趣味で盛りました。(公式作品でも花村夫妻の仲睦まじさはほのめかされていますが)
▶小西早紀先輩
この人も独自解釈。作品群見ても情報が少ない上に曖昧で、本当に人柄が掴めない。けれど、何とか陽介が彼女を好きになったきっかけを描きました。テレビの中の『コニシ酒店』の言動を基にしているとはいえ、父親が非常に保守的で横暴な人間になってしまった。そういう成り立ちもあって、彼女の強い責任感や自立心、逃避願望に繋がると思ったのですが……。辛い目に合わせてしまった。
▶夢主の母親 水奈子(みなこ)さん
オリキャラ。夢主の性格や生い立ちを語るに当たって登場させました。佳菜ちゃんといいオリキャラが多い。
▶『喫茶 La Pause 』
八十稲羽の地理、大捏造。稲羽の丘陵に一角を構えるカフェになります。八十稲羽は地元特有の野菜があるし、そういうのを提供するお店があってもいいのでは? と登場させました。店名『La Pause』はフランス語で”一休み”あるいは”憩いの場”という意味。来客者様がゆとりをもって料理や時間を過ごせるようコンセプトされているため、各席の機密性が優れています。ゆえに、水奈子さんは陽介とゆっくり話すためにも、人目を気にする陽介のためにも、このお店に招待したという裏設定があります。
以上、解説になります。少しでも舞台および登場人物に関して、不可解に思った方への解説となれば幸いです。
それでは、お読みくださってありがとうございました!