製作裏話

Moment「未確認で進行形」の裏話

2023/07/08 11:25
 こんにちは。佐都です。
 ご閲覧いただきありがとうございます。

 めっきり熱くなりましたね。佐都は寒さは大丈夫なんですが、熱さに関してはとても駄目な人間です。
 唯一の楽しみが自分で作る梅ジュースですかね。梅の実と同量の砂糖を瓶の中に入れてつくるものになります。

 無糖の炭酸水で割ったり、かき氷シロップにしたりといろいろ重宝する梅ジュース。なにやら夏バテにもいいんだそうで、夏はこればかりを飲んでしまいます。これさえあれば、市販のジュースなんぞ要らないってレベルで佐都は梅ジュースが好きです。

 こちらを訪れてくださる皆様は、大丈夫でしょうか。熱中症や夏バテに引っかからないように、夏ならではの楽しみに浸りながら酷暑を乗り切れるように祈っております。

 さて、今回は「未確認で進行形」の裏話。なんだかこのコーナーもとても久しぶりになりますね。

 いつも通り気軽にネタバレをしていきますので、作品をお読みになったほうが楽しめるかと存じます。
 よろしければお気軽に、感想・スキボタンよろしくお願いします。作者の励みになります。
 それではどうぞ。




=====<一応の切り取り線>=====



 執筆動機は「番長くんのペルソナ覚醒シーンが書きたい」でした。

 流れとしては、佐都がペルソナを知るきっかけになった「Persona4 the Animation」を多分に参考にさせていただいております。アニメは初めての戦闘が原作ゲームより早いタイミングで行われるなど、テンポと盛り上がりがいいんですよね。

 あとは自分なりに描きたいことを詰め込みました。具体的には以下の通り。


◆シャドウに襲われる番長くんを庇う陽介。

 一番書きたかったとこ。私なりの番長くんと陽介の出会いに対する解釈がてんこ盛りで詰まっています。というのもですね、佐都はずっと原作をプレイしている間、「番長くんは陽介のどこに惹かれたんだろう」といつも考えておりました。

 陽介が惹かれた理由はとても分かりやすいです。自分のシャドウに殺されそうになっていたところを番長くんによって救われ、なおかつ自分にとって向き合いたくない醜悪な本音を受け入れてもらったんですから。陽介は番長くんに救ってもらった。だからこそ、ヒーローに憧れる性質などもあって惹かれたんだなと。

 じゃあ、番長くんはどこに惹かれたんや? と考えたとき、ある考えが浮かびました。「番長くんも、陽介の存在に救われたから惹かれたのではないか?」と。

 なんでこう思うのか解説しますと、以下の通りになります。
 (仕事に比重を置いているので、あまり交流はなかったとしても)親しい家族のいない、住み慣れない田舎にひとりぼっちで飛ばされた上に、不気味な老人から「今年頑張らないと、きみの未来台無しになるかもよ?」と一種の死刑宣告を言い渡され、やっと到着した土地ではワケの分からない殺人事件が起きる。しかも得体の知れない異世界に迷い込み、得体の知れない異形を操る力に目覚める……って、よく考えたらかなりホラーではないですか? 佐都だったら絶対気が塞いで、お布団に潜り込んで現実逃避してます。
 
 でも、番長くんは陽介に会いました。コミカルで、それでいて初対面の人間にも優しいイイヤツの陽介に。しかも、自分に目覚めた得体の知れない力さえ「スゲー!!」とまるで子供のような無邪気さで慕ってくれた。気味悪がることなく、受け入れてくれた。そんな風におおらかで、明るい陽介がそばにいてくれたおかげで番長くんは救われたんじゃないか? と思います。

 だから佐都は、陽介と番長くんの関係は「互いが互いに救われたからこそ始まった関係」と解釈しております。それを分かりやすく詰め込んだのが、このお話というわけです。

 また夢主との交流による影響か、陽介がただ庇われるだけではなくなりました。原作との相違ではありますが、お楽しみいただけたなら幸いです。



◆水奈子さんと菜々子ちゃん

 原作と違い、夢主を通じて菜々子ちゃんの事情に関して陽介が知るところとなりましたね。とあるフラグが折れました。
 そして何回か仄めかされていますが、夢主の家族と堂島宅は交流があります。元々、夢主の母である水奈子さんと堂島家の奥様であった千里さんの間には「親友」といっても差し支えないほど深い交流があったらしく、水奈子さんは彼女の忘れ形見である菜々子ちゃんを気にかけています。



◆陽介の両親について。
 作中で明言はされていないのですが、陽介のご両親は共働きとさせていただきました。根拠……というより考察の種にしたのは、体重と家庭料理が好きな食嗜好です。

 身長のわりに細身なことから、「身体を動かすわりに食事量が少ない」→「バイトの忙しさとかもあって、パンとか出来合いのお弁当とかで手早くご飯を済ませる」人なのかなと考察。

 さらに「家庭料理が好き」という食嗜好から、「小さい頃は食べていたけど、今はあまり食べられないからこそ、美味しさとともに懐かしさを感じられて好きなのではないか?」と考察。日ごろから家庭料理に親しんでいる人なら、「家庭料理が好き」という食嗜好にはなりにくいかなぁと。もし家庭料理を普段から陽介が食べていたのなら、都会とかにいた分、物珍しい料理を好きになりそうです。

 「パンとか出来合いのお弁当とかで手早くご飯を済ませる」「家庭料理が好き」。これらの陽介が抱いた性質を佐都なりに納得させる形で考えたのが、「陽介の両親は共働き」説です。
 恐らく幼少期などの、手のかかる時代はお母さまが作るご飯に親しんでいたのだと思います。けれど、陽介が自立してくるにしたがって、お母さまは仕事に出るように。(家事もあるのでパートなどの、働くことが好きなのかもしれない)

 そして陽介は仕事に打ち込む両親2人の邪魔にならないように気を使って、総菜パンとか出来合いのお弁当を食べるようになります。

 そして高校生になり、バイトをはじめて自身も忙しくなり、さらにパンや出来合いのお弁当を食べるように……だからこそ、昔親しんだ手間のかかった料理が恋しく、食べられるとものすごく喜ぶのかな……と。

 ……考察を書いていて、佐都はいっそう彼に美味しいものを食べていてほしいと思いました。




◆怪我をした陽介にむけた夢主の対応について。
 夢主も陽介の異変には気がついているみたいですね。けれど、陽介が精神的に疲弊していると見抜いていたため、あえて無理に聞き出すマネはしませんでした。
 けれど、みすみす傷つく友人を見逃す人でもありません。彼女は「話すまで黙っている」という殊勝な選択ができる人間ではない。彼女も、きっと陽介の異変を探るために動き出すのだと思います。たとえ、彼が何も話してはくれなくとも。

 それでは、今回はここまで。お読みくださってありがとうございました! またお会いしましょう!

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