製作裏話

「Lotus in the mud(バレンタイン編)」の裏話

2023/01/29 14:54
 こんにちは。佐都です。
 ご閲覧いただきありがとうございます。

 高○屋の『あなたと🏵️とチョコレート』というサイトがあるのですが、夢書きのサガで、『Lotus in the mud』の夢主が陽介あてに贈るチョコを想定してみたところ、「死ぬほど愛する」「あなたに想われたい」というメッセージが込められたチョコとなりました。「(自分が)死ぬほど愛する」がもうドストライク夢主で「夢主おまえぇぇ……」と呻いていました。愛が重いよきみは……。

 そして、奇しくも、今回更新した「friendship」にぴったりな診断結果になりました。
 というわけで裏話と参りましょう。

 気軽にネタバレをしていきますので、作品をお読みになったほうが楽しめるかと存じます。バレンタインを話題にしたお話です。

 よろしければお気軽に、感想・スキボタンよろしくお願いします。登場人物がかわいいと思って下さった方も、面白いと思って下さった方も。押すときっといいことあります。ついでに作者の励みになります。押さなくてもいいことあります。

 それではどうぞ。



=====<一応の切り取り線>=====



 執筆動機は「夢主と会って、陽介にどんな変化が起こっているのか書きたい」でした。互いに親友となった陽介と夢主になります。

 実は陽介、面と向かって夢主に「親友」っていったの、今回が初めてなんですよね。『大事な友達』とは言っていたんですが。さすがはコミュマックスで、番長に向かって「信用してなかった」って告白する男です。
 さすがの夢主も怒って悲しみました。そりゃあ、あんな大切だ、親友だって言っているのに否定されようとしたら怒るわ……。陽介、自己肯定感低すぎやねん。
 そんなひと悶着を経て、番長で例えれば、コミュマックスにはなっていると思います。視線で殴りあった2人。

 ちなみに作者お気に入りは、親友コンビに挟まれて「はくじょうもの~~」と声をあげている夢主とソレを無情に置き去る陽介のシーンです。
 個人的に夢主がかわいく書けたかな。と自画自賛いたします。

 内容は、外伝マンガ『Persona4 The Magician』のバレンタインのお話を基に、夢主を加えて再構築したものになります。素晴らしい内容をお描き下さった玖倉しいち先生に感謝を。

 ただ、夢主によっていくつか改編が起こった点があります。以下その一覧。

・雪のなかで尻餅をつく陽介 → 夢主が助けて転倒防止
・バイト中、陰口を叩く主婦たちから、コニシ先輩を連れ出す陽介 → 機転を利かせた陽介が主婦たちを言葉巧みに別の場所に誘導する。

 下の一点によって、小西先輩の陽介に対する心境に変化が起きましたね。といっても、そんなに大きなものではないです。

 さてさて、ここからは作中ちょっと知っておくと楽しい小ネタの紹介をいたしましょう。

・小西先輩が「『水』が良くなった」と言った意味
 日本酒でいうところの『水』の品質は、お酒のキレ(=後味がスッキリとして軽快なこと)に影響するそうです。
 実は小西先輩、あの陰口を聞いていて無視していたという独自解釈があります。ソレをうまいこと誘導して対処した陽介についても見ていました。
 小西先輩は、他のアルバイターに詰め寄られてもただ耐えている陽介を知っています。だから、客たちを上手く言いくるめて退場させた陽介を意外に思ったんですね。以前だったら頼りなかったのに、ちょっと頼もしくなった陽介を、日本酒に例えて「味がぼんやりせず、キレが増した」=「キレの元となる『水』が良くなった」と例えたわけです。
 夢主がデフォルトネームですと、「みづ」=「みず」と音が一致するので、「夢主と関わって変わったの?」という意味もあるかも。
 ここら辺、ちゃんと文中で説明したかったなぁーー。と思います。実力不足が恨めしい。

・夢主はなぜキャンディを贈ったか。
 夢主が贈ったキャンディですが、バレンタインの贈り物としては「あなたが好き」という意味があるとか。口に入れると、ゆっくり溶けておいしさが長続きすることから「愛情がずっと続くように」という意味も持つとされています。
 しかし、夢主はそんなコトまったく知りません。彼女が選んだ理由は「花村が好きなお菓子だから」「よく大声を出す花村の喉を労れるから」「陽介のことだから、バイト先でチョコを貰っているだろう。なら、箸休めでつまめるお菓子を贈った方がいいと思ったから」です。善意100%。もし指摘されても、「好きに決まっているだろう。私が親友と認めた男なのだから」とあっけらかんと答えます。

・レモン味のキャンディについて
 最後の場面で陽介がつまんだキャンディですね。レモンの花言葉は「心からの思慕(しぼ)」「香気」。外国での花言葉は「誠実な愛」だそうです。身近なレモンに、こんな花言葉が込められているなんて素敵ですね。ちなみに佐都は、まったく意図してませんでした。「初恋の味はレモンの味~~」とか呑気に考えてノリでレモン味にしましたとも。あとレモン味のキャンディ美味しいですよね。それだけ。

・陽介がホワイトデーに何を贈ったか。
 瀬名家から『友チョコ』を貰った陽介ですが、ホワイトデーには佳菜ちゃんと水奈子さん宛てに焼き菓子の詰め合わせ(佳菜ちゃんにはラブリーンの文房具セットつき)を贈りました。瑞月には、マカロンをお返ししたそうです。理由は「珍しいお菓子だから、甘いもの好きな瀬名が気に入るかと思った」とのこと。ちなみにマカロンは「あなたは特別な人」という意味が込められたお菓子だそう。陽介はまったくそんなこと知りません。

 来年、番長くんにお菓子の意味を教えられて、お互い盛大に照れてるとかわいいです。

 そして佐都の心境的なお話。このお話、実は佐都的にとって思い入れの深いお話になります。

 主に小西先輩に対して。私、この小説を書くまで、彼女がどんな人柄なのか、ぼんやりとしか考えてなかったんですよね。「商店街の酒屋を実家とする娘さんで、ジュネスでアルバイトをしている」という記号的認識で、正直どうして陽介が彼女を好きになったのかも、ぼんやりとしか想像がついていなかった。

 けれど、このお話で、小西先輩がアルバイトを真剣にこなす姿を想像して書いていたら、陽介が「真面目だった」と言った意味を、陽介が彼女を好きになった理由を、真に理解できた気がします。

 小西先輩はきっと、あの息苦しい商店街から抜け出すために、笑顔という仮面の下でものすごい藻掻いてる人だったんじゃないのかと。

 私は、(抑圧された感情だったとはいえ、陽介にも否があったとはいえ)陽介に一生消えない、報われない傷を『ウザい』という一言で生々しく刻みつけていった彼女に複雑な感情を抱いていましたが、(それがあるからこその彼ということも、重々承知していますが。小西先輩もそれだけではなかったと思っていますが。小西先輩が好きだとおっしゃる方がいましたら、本当にすみません😣💦⤵️)、それが昇華された気がします。

 二次創作やってて良かったと、思えた瞬間でした。愛する物語を構成する、登場人物への理解が深まったのですから。

 さて、拙作「Lotus in the mud」ですが、あと1話で終わります。つまり、一年生編は次で終わり。2年生編はタイトルを変えようと考えている。
 秋の冷たい雨ざらしの日に、泥水にまみれながら出会った二人が行き着いた先を描きたく思います。

 それでは、なんだか長々となってしまいましたね。ここまで、お読みくださってありがとうございました!

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