Happy Halloween‼
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頑張りやな恋人への愛しさが胸を突いて、瑞月は陽介の近くに膝を寄せた。瑞月に気が付いて、タルトを食べる手を止めた陽介の身体を、腕を回して抱きしめる。さらに、空いた片手で陽介の頭をゆるく撫でた。
「うん。陽介はとても、頑張っていたものな」
「…………ッ」
瑞月の手に、じわじわと陽介の体温が染みてゆく。ちらりと盗み見た陽介の耳は赤く染まっていた。抵抗がないのをいいことに、瑞月は陽介を思いっきり甘やかす。
「私がね、どうしてあの紹介映像を気に入ったか、陽介は知っているかい?」
「そりゃ、やっぱ、内容が面白かったとか……」
「うん、確かにそれもあるけれどね。——一番の理由は、映像に記録された人たちがみんなとっても生き生きとしていたから」
『記録された』といったのは、間違いではない。映像に映った学生の笑顔や真剣な表情、映像にはならなかったけれど、マイクに紛れ込んだ、ふとした会話やガヤの数々、そのすべてがエネルギッシュで、学園祭を成功させようという熱意に溢れていた。
「学園祭の立役者の一人として、陽介が関わっていることが誇らしかったし、学祭の成功に向けて積み立てた陽介の努力が報われていることが、私はとっても嬉しかったんだよ」
「……俺だけじゃできなかったよ。学祭に関わったっていっても、俺はほんの小さいことをやっただけ」
「そうおまえさまが思ったとしても、たしかに陽介の成し遂げたことの一つだ」
労りの想いを込めて、瑞月は陽介から疲労を払い去るように、その頭を撫でた。陽介は瑞月に身をゆだねてくれる。陽介を撫でる手は止めずに、瑞月は陽介の身体を支えた。紅茶から湯気が消えた時分、陽介が口を開いた。
「誰かにメシ作んのと、同じなんだよな」
「え?」
「自分がやったことで誰かが喜んでくれる。そうゆうの、俺はすげー好きなの。やりがいっつーの? 瑞月が誰かのためにメシ作るのと一緒でさ。だから……頑張っちまうっつーか」
照れくさそうに、陽介は頬を掻く。肯定の言葉がわりに、瑞月は陽介をひと撫でする。陽介は、誰かのために必死で行動できる人だ。瑞月がほれ込んだ理由の一つでもある。ゆえに、瑞月は陽介の行く道を支えたいし、守りたいと思っている。彼が行く道の先に、幸があるように見守っていたい。
「ああ、そうだな」
「そうやって、人が笑ったところを見れるのはすげー嬉しい。そんでさ、その道筋を見てくれて、支えてくれる人がいるっていうのは、もっと嬉しくて、幸せなことなんだって思う」
陽介が振り向こうとする。瑞月は陽介に回した腕を緩めると、2人の視線はすぐに重なった。心からの感謝を宿した、たれ目がちの優しい双眸が瑞月を射る。
「瑞月、学祭で忙しかった俺のこと、支えてくれてありがとな」
陽介が春の陽気をまとって、ふんわり笑う。愛しい人の、心からの笑顔に愛しさや庇護欲が瑞月の内であふれてきた。湧き上がる想いをそのままにしたくない。
だから瑞月は、こぼれてしまいそうな想いの丈を封じ込めるように、陽介と唇を重ねた。陽介も瑞月を受け入れる。
陽介に残った、カモミールとラム酒の甘い香りに身体がほぐれて、二人は長く、触れるだけのキスを続けた。
「うん。陽介はとても、頑張っていたものな」
「…………ッ」
瑞月の手に、じわじわと陽介の体温が染みてゆく。ちらりと盗み見た陽介の耳は赤く染まっていた。抵抗がないのをいいことに、瑞月は陽介を思いっきり甘やかす。
「私がね、どうしてあの紹介映像を気に入ったか、陽介は知っているかい?」
「そりゃ、やっぱ、内容が面白かったとか……」
「うん、確かにそれもあるけれどね。——一番の理由は、映像に記録された人たちがみんなとっても生き生きとしていたから」
『記録された』といったのは、間違いではない。映像に映った学生の笑顔や真剣な表情、映像にはならなかったけれど、マイクに紛れ込んだ、ふとした会話やガヤの数々、そのすべてがエネルギッシュで、学園祭を成功させようという熱意に溢れていた。
「学園祭の立役者の一人として、陽介が関わっていることが誇らしかったし、学祭の成功に向けて積み立てた陽介の努力が報われていることが、私はとっても嬉しかったんだよ」
「……俺だけじゃできなかったよ。学祭に関わったっていっても、俺はほんの小さいことをやっただけ」
「そうおまえさまが思ったとしても、たしかに陽介の成し遂げたことの一つだ」
労りの想いを込めて、瑞月は陽介から疲労を払い去るように、その頭を撫でた。陽介は瑞月に身をゆだねてくれる。陽介を撫でる手は止めずに、瑞月は陽介の身体を支えた。紅茶から湯気が消えた時分、陽介が口を開いた。
「誰かにメシ作んのと、同じなんだよな」
「え?」
「自分がやったことで誰かが喜んでくれる。そうゆうの、俺はすげー好きなの。やりがいっつーの? 瑞月が誰かのためにメシ作るのと一緒でさ。だから……頑張っちまうっつーか」
照れくさそうに、陽介は頬を掻く。肯定の言葉がわりに、瑞月は陽介をひと撫でする。陽介は、誰かのために必死で行動できる人だ。瑞月がほれ込んだ理由の一つでもある。ゆえに、瑞月は陽介の行く道を支えたいし、守りたいと思っている。彼が行く道の先に、幸があるように見守っていたい。
「ああ、そうだな」
「そうやって、人が笑ったところを見れるのはすげー嬉しい。そんでさ、その道筋を見てくれて、支えてくれる人がいるっていうのは、もっと嬉しくて、幸せなことなんだって思う」
陽介が振り向こうとする。瑞月は陽介に回した腕を緩めると、2人の視線はすぐに重なった。心からの感謝を宿した、たれ目がちの優しい双眸が瑞月を射る。
「瑞月、学祭で忙しかった俺のこと、支えてくれてありがとな」
陽介が春の陽気をまとって、ふんわり笑う。愛しい人の、心からの笑顔に愛しさや庇護欲が瑞月の内であふれてきた。湧き上がる想いをそのままにしたくない。
だから瑞月は、こぼれてしまいそうな想いの丈を封じ込めるように、陽介と唇を重ねた。陽介も瑞月を受け入れる。
陽介に残った、カモミールとラム酒の甘い香りに身体がほぐれて、二人は長く、触れるだけのキスを続けた。