Happy Halloween‼
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タルトの上に惜しげもなく盛られた生クリームとカボチャクリームをフォークで勢いよくすくい取る。
風味付けのラム酒の甘い香りに、陽介の目が子供のよう輝いた。あっと大きく口を開け、陽介はクリームましましのかぼちゃタルトをほおばる。フォークを握りしめた陽介は、しばらくすると満面の笑みで顔を上げた。
「うっまい!!」
なんのてらいもなく、くす玉のように弾ける笑みだ。隣で同じタルトを食べていた瑞月も、陽介の笑みにあてられて温かな気持ちになる。
タルトの制作者が瑞月であるのなら、なおさら。もともと料理が好きな瑞月だけれど、陽介が美味しいものを食べたときに見せる幸せに満ちた笑顔のおかげで、さらにのめり込むようになった。
ハロウィン当日、瑞月は自宅にて陽介とともに夕食を楽しんでいる。誘ったのは瑞月からだ。瑞月の実家から仕送りの野菜が大量に届いたからと、口実をつけて陽介を招待した。瑞月お手製かぼちゃタルトに破顔する陽介へと、瑞月は微笑んだ。
「気に入ってもらえたようで、よかった。おまえさまはいつも喜んで私の料理を食べてくれるから、嬉しいよ」
「いやだってマジでうまいんだもん、瑞月の料理。かぼちゃ1つでグラタンとかスープとか、果てはケーキまで作っちまえるなんて、マジで魔法使いなんじゃねーの?」
魔法使いは陽介の方だと、瑞月は柔和なまなざしを陽介に送った。花を飛ばすような陽介の笑みは、見ている人間を明るくする力がある。陽介が巻き上げた花弁を、隣人にまで振りかけるような、そういう笑みだ。
「そうだな。食べて喜んでくれる人がいるから、美味しく作ろうと頑張れるんだよ。陽介」
陽介がフォークをくわえたまま固まった。思わぬ方向から褒められて照れたらしい。タルトの一かけを口に放り込んだ頬が、サクランボのように赤くなる。「に、にしてもマジでうめーな」とお茶を濁し、陽介はタルトを咀嚼した。再び、子供のようにキラキラと陽介の瞳が輝く。
空になっていた陽介のマグカップに、瑞月は断りを入れて紅茶を注ぐ。カモミール入りのそれは、湯気を吸うだけでも体の緊張をほぐしてくれる。サンキュと、陽介が紅茶を受け取ると、立ち上る湯気を吸い込んだ陽介はふーっと深く息を吐いた。
「メシもうめーし、久々にゆっくりすごせるし、やーっと人心地つける感じだな」
「改めて、お疲れさま。では、学祭の成功を祝して」
「おー、あんがと。って、さっきもやったよな?」
成り行きで、マグを合わせて乾杯する。陽介が尽力した学園祭は、先週無事に幕を閉じた。もちろん、瑞月も遊びに行った。学生たちの活気の溢れる、楽しい文化祭であった。
「本当に、楽しかったなぁ。どの出し物も純粋に楽しかったし、学部の特色が色濃く反映されていた。特に面白かったのは、大学の特色や学部・学祭の見どころについてコメディチックにまとめた紹介映像。誘った友達も楽しんでいたよ」
「あ! それ、俺が広報として制作に関わったヤツじゃん。色んな人らから話聞いたり、大学をいかに面白く紹介できるかとか、撮影のスケジュールとかいろいろ詰めたりしてキッツかったわぁ……」
苦労のにじんだ言葉とは裏腹に、陽介の表情は晴れやかだった。すべてやり終えたと、言葉ではなく、穏やかな瞳で語っている。
瑞月もまた、陽介の成功が我がことのように感慨深い。学祭間近、骨を砕いて働いていた陽介を知っているからこそである。
風味付けのラム酒の甘い香りに、陽介の目が子供のよう輝いた。あっと大きく口を開け、陽介はクリームましましのかぼちゃタルトをほおばる。フォークを握りしめた陽介は、しばらくすると満面の笑みで顔を上げた。
「うっまい!!」
なんのてらいもなく、くす玉のように弾ける笑みだ。隣で同じタルトを食べていた瑞月も、陽介の笑みにあてられて温かな気持ちになる。
タルトの制作者が瑞月であるのなら、なおさら。もともと料理が好きな瑞月だけれど、陽介が美味しいものを食べたときに見せる幸せに満ちた笑顔のおかげで、さらにのめり込むようになった。
ハロウィン当日、瑞月は自宅にて陽介とともに夕食を楽しんでいる。誘ったのは瑞月からだ。瑞月の実家から仕送りの野菜が大量に届いたからと、口実をつけて陽介を招待した。瑞月お手製かぼちゃタルトに破顔する陽介へと、瑞月は微笑んだ。
「気に入ってもらえたようで、よかった。おまえさまはいつも喜んで私の料理を食べてくれるから、嬉しいよ」
「いやだってマジでうまいんだもん、瑞月の料理。かぼちゃ1つでグラタンとかスープとか、果てはケーキまで作っちまえるなんて、マジで魔法使いなんじゃねーの?」
魔法使いは陽介の方だと、瑞月は柔和なまなざしを陽介に送った。花を飛ばすような陽介の笑みは、見ている人間を明るくする力がある。陽介が巻き上げた花弁を、隣人にまで振りかけるような、そういう笑みだ。
「そうだな。食べて喜んでくれる人がいるから、美味しく作ろうと頑張れるんだよ。陽介」
陽介がフォークをくわえたまま固まった。思わぬ方向から褒められて照れたらしい。タルトの一かけを口に放り込んだ頬が、サクランボのように赤くなる。「に、にしてもマジでうめーな」とお茶を濁し、陽介はタルトを咀嚼した。再び、子供のようにキラキラと陽介の瞳が輝く。
空になっていた陽介のマグカップに、瑞月は断りを入れて紅茶を注ぐ。カモミール入りのそれは、湯気を吸うだけでも体の緊張をほぐしてくれる。サンキュと、陽介が紅茶を受け取ると、立ち上る湯気を吸い込んだ陽介はふーっと深く息を吐いた。
「メシもうめーし、久々にゆっくりすごせるし、やーっと人心地つける感じだな」
「改めて、お疲れさま。では、学祭の成功を祝して」
「おー、あんがと。って、さっきもやったよな?」
成り行きで、マグを合わせて乾杯する。陽介が尽力した学園祭は、先週無事に幕を閉じた。もちろん、瑞月も遊びに行った。学生たちの活気の溢れる、楽しい文化祭であった。
「本当に、楽しかったなぁ。どの出し物も純粋に楽しかったし、学部の特色が色濃く反映されていた。特に面白かったのは、大学の特色や学部・学祭の見どころについてコメディチックにまとめた紹介映像。誘った友達も楽しんでいたよ」
「あ! それ、俺が広報として制作に関わったヤツじゃん。色んな人らから話聞いたり、大学をいかに面白く紹介できるかとか、撮影のスケジュールとかいろいろ詰めたりしてキッツかったわぁ……」
苦労のにじんだ言葉とは裏腹に、陽介の表情は晴れやかだった。すべてやり終えたと、言葉ではなく、穏やかな瞳で語っている。
瑞月もまた、陽介の成功が我がことのように感慨深い。学祭間近、骨を砕いて働いていた陽介を知っているからこそである。