寒桜
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何とかして彼女の想いに言葉を返さなくてはいけないと、陽介はとっさに口を開く。
「こ、こちらこそ、ふ、ふちゅちゅかものですが」
噛んだ。押し倒せばことなきを得たものを。陽介の律儀さが裏目に出た。ふちゅちゅかものってなんだよダッセーな。と陽介は両手で顔を覆ってうつむく。
「おまえさま、大丈夫、大丈夫。深く息を吐いて」
顔を背けたにも関わらず、瑞月は陽介の背中をさすって、落ち着くように促してくれる。何度も何度も、羞恥に丸まった陽介の背中を瑞月は柔らかく撫でてくれた。
「うう、ホント俺ってカッコつかねぇ……だせぇ」
「そんなことはない。熱烈な告白、たしかに受け取った。それに……」
「それに?」
「こう見えて、わたひもだいぶりょれつがまわりゃなくにゃってりゅ」
「ちょっ、タイムタイム、お互い深呼吸しようぜ」
瑞月の滑舌が崩壊した。あろうことか、陽介よりひどいものだ。
お互いに深く呼吸を繰り返すと、2人とも必死に虚勢を張っていたと思うとおかしくて、顔を合わせて笑いあう。
格好つかないのは仕方がないと、陽介は開き直った。
「情けないついでに、さ、もいっこ、いい?」
「?」
瑞月が小首を傾げる。陽介は続けた。格好のつかない自分だから言える情けない頼みごとを。
「やっぱ俺、こうゆーのトーシロだから「痛い」とか、「気持ちいい」とか、素直に言ってくれると、助かる」
恥じらいに、瑞月は瞼を伏せて顔を背けた。ほんのりと、頬の赤みが強くなっている。しばしの沈黙ののち、瑞月は小さく口を開く。
「……その、恥ずかしいが、善処しよう。それと」
瑞月は陽介と真っ直ぐに向き合う。瞳を伏せたまま、淡く染まった眦 とともに彼女は微笑した。
「長く待ったから、意識しなくとも、自然と気持ちが溢れてしまうかもしれないな」
陽介は言葉を失くした。これ以上の言葉を重ねるのは無粋だ。ならば、内に溢れる思いの丈をより強く伝える術を、陽介は一つしか知らなかった。
「こ、こちらこそ、ふ、ふちゅちゅかものですが」
噛んだ。押し倒せばことなきを得たものを。陽介の律儀さが裏目に出た。ふちゅちゅかものってなんだよダッセーな。と陽介は両手で顔を覆ってうつむく。
「おまえさま、大丈夫、大丈夫。深く息を吐いて」
顔を背けたにも関わらず、瑞月は陽介の背中をさすって、落ち着くように促してくれる。何度も何度も、羞恥に丸まった陽介の背中を瑞月は柔らかく撫でてくれた。
「うう、ホント俺ってカッコつかねぇ……だせぇ」
「そんなことはない。熱烈な告白、たしかに受け取った。それに……」
「それに?」
「こう見えて、わたひもだいぶりょれつがまわりゃなくにゃってりゅ」
「ちょっ、タイムタイム、お互い深呼吸しようぜ」
瑞月の滑舌が崩壊した。あろうことか、陽介よりひどいものだ。
お互いに深く呼吸を繰り返すと、2人とも必死に虚勢を張っていたと思うとおかしくて、顔を合わせて笑いあう。
格好つかないのは仕方がないと、陽介は開き直った。
「情けないついでに、さ、もいっこ、いい?」
「?」
瑞月が小首を傾げる。陽介は続けた。格好のつかない自分だから言える情けない頼みごとを。
「やっぱ俺、こうゆーのトーシロだから「痛い」とか、「気持ちいい」とか、素直に言ってくれると、助かる」
恥じらいに、瑞月は瞼を伏せて顔を背けた。ほんのりと、頬の赤みが強くなっている。しばしの沈黙ののち、瑞月は小さく口を開く。
「……その、恥ずかしいが、善処しよう。それと」
瑞月は陽介と真っ直ぐに向き合う。瞳を伏せたまま、淡く染まった
「長く待ったから、意識しなくとも、自然と気持ちが溢れてしまうかもしれないな」
陽介は言葉を失くした。これ以上の言葉を重ねるのは無粋だ。ならば、内に溢れる思いの丈をより強く伝える術を、陽介は一つしか知らなかった。