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12月22日 水曜日
12月といっても、防寒をきちんとしていれば晴れば日差しが暖かいので昼寝に支障はない。
瀬名瑞月は防寒具を着こんで、昼休みの屋上にいた。いつもなら瑞月と楽しそうに話す物好きな友人を待つところだが、今日は日直の仕事で呼び出されるのを見ていたから、きっと来れないだろう。
傍らに抱えた紙袋を脇に置き、瑞月は早々に寝てしまうこととする。
寒い時期になると、八十稲羽は雪が降るから外で寝転がる時間はとても貴重になってくるのだ。瑞月は余すことなく昼寝の時間を堪能したい。
「ふぁ……」
恋しさのあまり、あくびのこぼれた口元を手で押さえた。手持ちのレジャーシートに寝転がる。
悪天候が続いて、空き教室で午睡に興じる機会も増えてきた。昼寝といえば、瑞月は日向で寝転がることが好きだけれど、最近は悪天候の日も悪くないと思っている。
『あ、瀬名さんこっち戻ってきたんだ。一緒に話さない?』
『瀬名さん、お菓子があるんだけど、食べない? 旅館で多く貰ったから、よかったら』
『よぉ、瀬名。今日もよく休めたか?』
昼寝を終えたあと、教室に戻ると親しくなったクラスメイトが瑞月に話しかけてくれるのだ。3人と他愛のない話をしているとき、不思議と心が微かに跳ねるようで、その感覚が嫌いではなかった。
閉じた瞼の裏に、友人たちの顔が浮かび上がる。快活で明るい里中千枝、しとやかで芯の強い天城雪子、——それから一番の友人である花村陽介。
陽介と出会って瑞月の日常は少しずつ変化している。それは瑞月にとっては、暗闇が続く一本道に朝日が差し込んだような心地だった。
12月といっても、防寒をきちんとしていれば晴れば日差しが暖かいので昼寝に支障はない。
瀬名瑞月は防寒具を着こんで、昼休みの屋上にいた。いつもなら瑞月と楽しそうに話す物好きな友人を待つところだが、今日は日直の仕事で呼び出されるのを見ていたから、きっと来れないだろう。
傍らに抱えた紙袋を脇に置き、瑞月は早々に寝てしまうこととする。
寒い時期になると、八十稲羽は雪が降るから外で寝転がる時間はとても貴重になってくるのだ。瑞月は余すことなく昼寝の時間を堪能したい。
「ふぁ……」
恋しさのあまり、あくびのこぼれた口元を手で押さえた。手持ちのレジャーシートに寝転がる。
悪天候が続いて、空き教室で午睡に興じる機会も増えてきた。昼寝といえば、瑞月は日向で寝転がることが好きだけれど、最近は悪天候の日も悪くないと思っている。
『あ、瀬名さんこっち戻ってきたんだ。一緒に話さない?』
『瀬名さん、お菓子があるんだけど、食べない? 旅館で多く貰ったから、よかったら』
『よぉ、瀬名。今日もよく休めたか?』
昼寝を終えたあと、教室に戻ると親しくなったクラスメイトが瑞月に話しかけてくれるのだ。3人と他愛のない話をしているとき、不思議と心が微かに跳ねるようで、その感覚が嫌いではなかった。
閉じた瞼の裏に、友人たちの顔が浮かび上がる。快活で明るい里中千枝、しとやかで芯の強い天城雪子、——それから一番の友人である花村陽介。
陽介と出会って瑞月の日常は少しずつ変化している。それは瑞月にとっては、暗闇が続く一本道に朝日が差し込んだような心地だった。