待つ彼女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そして、Uネックを洗濯機にダンクする。理性と常識の勝利である。煩悩よ、さらば。
洗剤と柔軟剤を投入し、スイッチオン。
瑞月は洗濯機によりかかって頭を抱えた。乾燥まで済ませてくれる機種だから、終われば瑞月が畳めばいい。瑞月は存分に自己嫌悪した。
——私は大概、独占欲が強い。
本当に、陽介を1人で大学まで行かせたくなかった。私ではない人に絡まれて、陽介が困るのを防ぎたかったという気持ちも確かだけれど。私がついていけば、陽介と一緒に過ごせる時間を他の人に盗られないから。
陽介に近づく胡乱な輩は全部追い払って、私だけが陽介に触れていたい。それよりももっと黒い独占欲も、瑞月の中には存在している。
彼を守るため、独占欲は時として必要だ。しかし、彼と幸福であるためには妨げになることがある。
陽介を守り、もう2度とない日々を2人でかみしめながら生きていく。病めるときも、健やかなるときも。かつて瑞月は陽介にそう誓った。けれど、どうせなら、健やかなときが多い方がいい。したがって、普段は無意識に独占欲を抑えている。
その抑圧された感情が、ふと表面にじりじりと湧き出しているのだろう。陽介と長く触れ合わないと感じるうすら寒さは。
会いたい。会って私を抱き締めてほしい。叶うならもっと触れてほしい。
私をおまえさまだけのものにして。そうして、私も誰も知らないおまえさまが欲しい。
そんな渇望にも似た、うすら寒さ。
ミーンミンミンミン、シュワシュワシュワ
遠くで蝉が鳴いている。首筋を汗の雫が伝った。季節はすっかり夏だった。
身体は熱いというのに、心の中のうすら寒さは強まるばかり。籠る熱気をものともせず、瑞月はベランダにつながる窓際へ急ぐ。時折、涼しさを連れて来る夏の風が、愛しい人を思いだせるから瑞月は好きなのだ。
洗剤と柔軟剤を投入し、スイッチオン。
瑞月は洗濯機によりかかって頭を抱えた。乾燥まで済ませてくれる機種だから、終われば瑞月が畳めばいい。瑞月は存分に自己嫌悪した。
——私は大概、独占欲が強い。
本当に、陽介を1人で大学まで行かせたくなかった。私ではない人に絡まれて、陽介が困るのを防ぎたかったという気持ちも確かだけれど。私がついていけば、陽介と一緒に過ごせる時間を他の人に盗られないから。
陽介に近づく胡乱な輩は全部追い払って、私だけが陽介に触れていたい。それよりももっと黒い独占欲も、瑞月の中には存在している。
彼を守るため、独占欲は時として必要だ。しかし、彼と幸福であるためには妨げになることがある。
陽介を守り、もう2度とない日々を2人でかみしめながら生きていく。病めるときも、健やかなるときも。かつて瑞月は陽介にそう誓った。けれど、どうせなら、健やかなときが多い方がいい。したがって、普段は無意識に独占欲を抑えている。
その抑圧された感情が、ふと表面にじりじりと湧き出しているのだろう。陽介と長く触れ合わないと感じるうすら寒さは。
会いたい。会って私を抱き締めてほしい。叶うならもっと触れてほしい。
私をおまえさまだけのものにして。そうして、私も誰も知らないおまえさまが欲しい。
そんな渇望にも似た、うすら寒さ。
ミーンミンミンミン、シュワシュワシュワ
遠くで蝉が鳴いている。首筋を汗の雫が伝った。季節はすっかり夏だった。
身体は熱いというのに、心の中のうすら寒さは強まるばかり。籠る熱気をものともせず、瑞月はベランダにつながる窓際へ急ぐ。時折、涼しさを連れて来る夏の風が、愛しい人を思いだせるから瑞月は好きなのだ。