未確認で進行形
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
悠の道案内によって、3人は最初に落ちてきたスタジオにたどり着いた。カンッとステージに脚を踏み入れると「ビクリ!」とわざとらしい効果音と同時に、ビビッドなブルーの頭部が縮みあがった。
霧に紛れていても分かる。頭でっかちなフォルムと目立つカラーリングに、珍獣を発見したかのような千枝の叫びが霧を突き抜ける。
「い、いたーーーーーーーーーーーーーっっ!」
「ぎゃーーーーーーーーーす!! ナニゴトーーーーーーーーー!」
尻尾を巻いて逃げようとするクマに、陽介がすかさず飛び出した。千枝の叫びに怯んだ隙をついて、爪がなく平べったいヤワヤワな手をひっ掴む。
「んぎゃーーーーーーッ!? クマのプリチーな毛皮をわっしと掴むーーーーー!! ヘンターーーーーーーーーイッ!!」
「やっと見っけたぞっ、ヘンな着ぐるみ! つーかそんな格好してるテメェの方がヘンタイだろーがッ!?」
「ナヌーーッ。キミタチまだいたクマかーーーーッ! そしてヘンな着ぐるみ違うクマ! ヘンタイでもない、クマは『クマ』クマ!」
バタバタとクマは暴れるが、中身が入っているとは思えないほど軽い身体を引き留めるのは容易く、陽介は手を離さない。
「花村、もう離してあげてもいいんじゃないか? その……クマ? 怖がってるみたいだから」
「え、でもコイツ逃げようとしてるし」
「それは誰だって大声で叫ばれた上で、いきなり飛びかかられたら、逃げたくだってなるよ」
「う……そりゃそうか……」
穏やかに諭す悠に、陽介はクマを掴む手を緩めた。すると「クマッ!」と小動物のような俊敏さでクマは陽介の手から逃れ、悠の背後へと隠れた。
目をパチクリする悠の制服を握って、クマはおよよと困り果てた声を上げる。それから、唇を山形に歪ませて、泣く寸前のような顔になる。
「早く帰れっていったクマ! どーしてまだココにいるの!」
「俺たちだってそうしたいけど、出口が分かんねぇんだよ」
「ならクマが出口だしたるクマよ!」
陽介の苦言に、クマは着ぐるみの毛を逆立てた。それからダァン! と乱暴に床を踏みつける。直後、クマの横にポンッと間抜けた音を立て、テレビの塔が現れた。
「テレビ?」
「こーれがキミタチのいう『出口』クマ。さあ、出口あるんだから、きみたちは早く帰りんしゃい!」
「え……でもホントにここ通れんのか?」
悠の疑問に簡潔に答え、クマは『出口』だというテレビを勢いよく指差す。テレビが出口? たしかに、陽介たちがいる異世界に迷い混んだのは、ジュネスのテレビに吸い込まれたことが原因だが、にわかには信じがたく3人はクマの作り出した『出口』を覗きこむ。
「え、マジで俺ら、またこの固そうなテレビ画面通るわけ──ドワッ!?」
「というか、人ひとりくらいしか通れなくない? ──うわっ!?」
「ハイハーイ! 細かいコトはいいクマよ! 『アンズよりウメがいい』って言うでしょ! さぁ、早く帰るクマ!」
「それを言うなら『案ずるより産むが易し』じゃ──って、わぁ!?」
問答無用でクマは3人をぎゅむぎゅむと『出口』たるテレビへと押し込む。乱暴な行動は、きっとクマが焦っているからだろう。いったい、何をそんなに焦っているのだろうか。
「いやいや、そんな押すんじゃねーよっ!」
「いやクマ! 君たちはさっさと帰るクマよ。最近ココにキミタチみたいな外の人が放り込まれて、《シャドウ》たち暴れて困ってるクマ」
「待ってくれ、クマ! 《シャドウ》ってなんだ!」
「キミタチも遭ったでしょーが! あの口だけオバケみたいなヤツクマ! アレはキミタチを襲う危険なヤツラなの! ただでさえ今日はキゲン悪かったのに、霧が晴れればもっと凶暴になるクマ!」
そういって──軽い着ぐるみのどこにそんな力があるのか──ふぬーーっと信じられないほどの腕力で3人は狭いテレビの画面に押しつけられる。
「ちょちょちょ! 潰れるつぶれるつぶれる!」
「もうすぐ霧が晴れそうだし────さあ、退散退散!」
陽介の静止も聞かず、クマはふぬぬーーーっと3人を力ずくでテレビに押しつけた。すると、テレビ画面が水面のように波打ち、来た時と同じく3人の身体はテレビの内側へと吸いこまれる。
霧に紛れていても分かる。頭でっかちなフォルムと目立つカラーリングに、珍獣を発見したかのような千枝の叫びが霧を突き抜ける。
「い、いたーーーーーーーーーーーーーっっ!」
「ぎゃーーーーーーーーーす!! ナニゴトーーーーーーーーー!」
尻尾を巻いて逃げようとするクマに、陽介がすかさず飛び出した。千枝の叫びに怯んだ隙をついて、爪がなく平べったいヤワヤワな手をひっ掴む。
「んぎゃーーーーーーッ!? クマのプリチーな毛皮をわっしと掴むーーーーー!! ヘンターーーーーーーーーイッ!!」
「やっと見っけたぞっ、ヘンな着ぐるみ! つーかそんな格好してるテメェの方がヘンタイだろーがッ!?」
「ナヌーーッ。キミタチまだいたクマかーーーーッ! そしてヘンな着ぐるみ違うクマ! ヘンタイでもない、クマは『クマ』クマ!」
バタバタとクマは暴れるが、中身が入っているとは思えないほど軽い身体を引き留めるのは容易く、陽介は手を離さない。
「花村、もう離してあげてもいいんじゃないか? その……クマ? 怖がってるみたいだから」
「え、でもコイツ逃げようとしてるし」
「それは誰だって大声で叫ばれた上で、いきなり飛びかかられたら、逃げたくだってなるよ」
「う……そりゃそうか……」
穏やかに諭す悠に、陽介はクマを掴む手を緩めた。すると「クマッ!」と小動物のような俊敏さでクマは陽介の手から逃れ、悠の背後へと隠れた。
目をパチクリする悠の制服を握って、クマはおよよと困り果てた声を上げる。それから、唇を山形に歪ませて、泣く寸前のような顔になる。
「早く帰れっていったクマ! どーしてまだココにいるの!」
「俺たちだってそうしたいけど、出口が分かんねぇんだよ」
「ならクマが出口だしたるクマよ!」
陽介の苦言に、クマは着ぐるみの毛を逆立てた。それからダァン! と乱暴に床を踏みつける。直後、クマの横にポンッと間抜けた音を立て、テレビの塔が現れた。
「テレビ?」
「こーれがキミタチのいう『出口』クマ。さあ、出口あるんだから、きみたちは早く帰りんしゃい!」
「え……でもホントにここ通れんのか?」
悠の疑問に簡潔に答え、クマは『出口』だというテレビを勢いよく指差す。テレビが出口? たしかに、陽介たちがいる異世界に迷い混んだのは、ジュネスのテレビに吸い込まれたことが原因だが、にわかには信じがたく3人はクマの作り出した『出口』を覗きこむ。
「え、マジで俺ら、またこの固そうなテレビ画面通るわけ──ドワッ!?」
「というか、人ひとりくらいしか通れなくない? ──うわっ!?」
「ハイハーイ! 細かいコトはいいクマよ! 『アンズよりウメがいい』って言うでしょ! さぁ、早く帰るクマ!」
「それを言うなら『案ずるより産むが易し』じゃ──って、わぁ!?」
問答無用でクマは3人をぎゅむぎゅむと『出口』たるテレビへと押し込む。乱暴な行動は、きっとクマが焦っているからだろう。いったい、何をそんなに焦っているのだろうか。
「いやいや、そんな押すんじゃねーよっ!」
「いやクマ! 君たちはさっさと帰るクマよ。最近ココにキミタチみたいな外の人が放り込まれて、《シャドウ》たち暴れて困ってるクマ」
「待ってくれ、クマ! 《シャドウ》ってなんだ!」
「キミタチも遭ったでしょーが! あの口だけオバケみたいなヤツクマ! アレはキミタチを襲う危険なヤツラなの! ただでさえ今日はキゲン悪かったのに、霧が晴れればもっと凶暴になるクマ!」
そういって──軽い着ぐるみのどこにそんな力があるのか──ふぬーーっと信じられないほどの腕力で3人は狭いテレビの画面に押しつけられる。
「ちょちょちょ! 潰れるつぶれるつぶれる!」
「もうすぐ霧が晴れそうだし────さあ、退散退散!」
陽介の静止も聞かず、クマはふぬぬーーーっと3人を力ずくでテレビに押しつけた。すると、テレビ画面が水面のように波打ち、来た時と同じく3人の身体はテレビの内側へと吸いこまれる。