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「ンガッ!!!」
三半規管を引っ掻き回されるような不快感のあと、陽介は尻から地面に激突した。
「~~~~~~ッッッ!!!!」
肉を抉られる痛烈な痛みに陽介は無言の叫びをあげた。運の悪いことに、ポケットに入っていた財布が骨にあたるまで食い込んだのだろう。
「だ、大丈夫か? 花村」
「ああ、鳴上か……、若干ケツが割れたみてーだがダイジョブだ」
「それ、元々じゃないか?」
無様な陽介と異なり、隣では悠が上体を起こしたところだ。それにしても、いきなり地面に叩きつけられたというのに、驚くほどに冷静だ。テレビ画面に頭を突っ込む勇気といい、実は大物ではないだろうか。陽介は内心で感心していると、甲高い悲鳴が響き渡って、陽介は反射的に振り向く。
「どうした里中ッ!」
「は、花村……」
フットワークの軽い千枝は──受け身でもとったのだろう。一見して、大きな怪我はないようだった。だがへたりと力なく地面に座り込み、わなわなと怯えたように口を開いた。
「な、何なのこれ……つーか、ココどこなのっ!?」
「え……? ────なッ」
陽介は即座に周りを確認し——呆然とした。
そこは奇怪な広場だった。人がダーツの的に叩きつけられた模様の描かれたステージの上に、陽介たちはいた。周りを囲むアルミのトラスや、ステージを支える鉄骨、いたるところからスポットライトが生えている。
悪趣味なバラエティ番組のスタジオのようだ。さらに不気味なのは、スタジオを覆う黄色い霧。視界を遮って、訳もなく不安を覚えさせる嫌な霧である。
──どこなんだここ?
状況を把握できない陽介の耳元に、しゃんと落ち着いた声が届く。
「テレビの中みたいだ。町にもジュネスにもこんなところなかったし」
「ウソでしょ!? とんでもないこと、サラッといわないでよッ!」
悠は冷静に周りを観察している。常人であれば、千枝のように取り乱すのが普通である。
「やだもう帰る! 今すぐ帰るーっ!」
悠の落ち着いた声と、髪を振り乱して混乱する里中につられてとりあえず陽介も冷静になった。自分より混乱している人間を見ると自然と冷静になれるものだ。
「つーか出口はどこよ? 俺らどっから入ってきたの!?」
「霧で……よく見えない」
悠の言葉どおり、出口と思しきものは見当たらない。悠と陽介がスタジオを調べるために立ち上がったそのとき、奇妙な物音を耳にした。
——ぷきゅ、ぷきゅ、ぷきゅ
物音は3人の方へ近づいてきた。音のした方角に陽介は目をこらして──首筋に冷や汗が伝う。
スタジオに通じる足場の上を伝って、ずんぐりとした影がこちらに移動している。見た目からして不気味なナニカに陽介の脚がぶるりとすくむ。しかし、緊張感が張り詰めた場の空気は、必死な叫びに打ち消される。
「反対方向に足場があるっ。逃げろ!」
あまりにも必死な悠の呼びかけ。『逃げろ』──。たった3文字の単語が電気信号のように陽介の身体を駆け巡った。不気味なナニカは──大声に怯んだのだろうか──ビクッと足を止める。その隙をついて3人は弾かれたように走り出す。
三半規管を引っ掻き回されるような不快感のあと、陽介は尻から地面に激突した。
「~~~~~~ッッッ!!!!」
肉を抉られる痛烈な痛みに陽介は無言の叫びをあげた。運の悪いことに、ポケットに入っていた財布が骨にあたるまで食い込んだのだろう。
「だ、大丈夫か? 花村」
「ああ、鳴上か……、若干ケツが割れたみてーだがダイジョブだ」
「それ、元々じゃないか?」
無様な陽介と異なり、隣では悠が上体を起こしたところだ。それにしても、いきなり地面に叩きつけられたというのに、驚くほどに冷静だ。テレビ画面に頭を突っ込む勇気といい、実は大物ではないだろうか。陽介は内心で感心していると、甲高い悲鳴が響き渡って、陽介は反射的に振り向く。
「どうした里中ッ!」
「は、花村……」
フットワークの軽い千枝は──受け身でもとったのだろう。一見して、大きな怪我はないようだった。だがへたりと力なく地面に座り込み、わなわなと怯えたように口を開いた。
「な、何なのこれ……つーか、ココどこなのっ!?」
「え……? ────なッ」
陽介は即座に周りを確認し——呆然とした。
そこは奇怪な広場だった。人がダーツの的に叩きつけられた模様の描かれたステージの上に、陽介たちはいた。周りを囲むアルミのトラスや、ステージを支える鉄骨、いたるところからスポットライトが生えている。
悪趣味なバラエティ番組のスタジオのようだ。さらに不気味なのは、スタジオを覆う黄色い霧。視界を遮って、訳もなく不安を覚えさせる嫌な霧である。
──どこなんだここ?
状況を把握できない陽介の耳元に、しゃんと落ち着いた声が届く。
「テレビの中みたいだ。町にもジュネスにもこんなところなかったし」
「ウソでしょ!? とんでもないこと、サラッといわないでよッ!」
悠は冷静に周りを観察している。常人であれば、千枝のように取り乱すのが普通である。
「やだもう帰る! 今すぐ帰るーっ!」
悠の落ち着いた声と、髪を振り乱して混乱する里中につられてとりあえず陽介も冷静になった。自分より混乱している人間を見ると自然と冷静になれるものだ。
「つーか出口はどこよ? 俺らどっから入ってきたの!?」
「霧で……よく見えない」
悠の言葉どおり、出口と思しきものは見当たらない。悠と陽介がスタジオを調べるために立ち上がったそのとき、奇妙な物音を耳にした。
——ぷきゅ、ぷきゅ、ぷきゅ
物音は3人の方へ近づいてきた。音のした方角に陽介は目をこらして──首筋に冷や汗が伝う。
スタジオに通じる足場の上を伝って、ずんぐりとした影がこちらに移動している。見た目からして不気味なナニカに陽介の脚がぶるりとすくむ。しかし、緊張感が張り詰めた場の空気は、必死な叫びに打ち消される。
「反対方向に足場があるっ。逃げろ!」
あまりにも必死な悠の呼びかけ。『逃げろ』──。たった3文字の単語が電気信号のように陽介の身体を駆け巡った。不気味なナニカは──大声に怯んだのだろうか──ビクッと足を止める。その隙をついて3人は弾かれたように走り出す。