客人〈マレビト〉来たりき
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2011/04/11
目を覚ますと、青い部屋にいた。
静かで冷たく、自分の体温と鼓動がはっきりと浮き彫りになるような青だ。圧倒的な青の空間に、少年はあっけにとられた。
「ようこそ、ベルベットルームへ」
覚えのない招待の言葉が、少年の意識を引き戻す。彼の正面には、奇妙な出で立ちの2人が座っている。
1人は、鼻が長い痩躯の老人である。何が興味深いのか、悠をギョロリとした眼でまばたきもせずに見つめている。その横にもう1人、部屋と同じ青のコートを纏った銀髪の女性が、車の座席に控えている。
「ほう……これはまた、変わった定め をお持ちの方がいらしたようだ……」
老人の見透かすような瞳に、現実みのない青の部屋に、少年はどうするべきか、分からない。
「貴方の名前をお伺いしても?」
少年の、名前が知りたいと老人は告げる。本当ならば、何の関わりもない他人に名前を教えるなんて、危険行為だ。しかし悠は、青の部屋に奇妙な縁を感じた。きっと、自分はまた、ここに来る。
「鳴上 悠 といいます」
だから少年──鳴上 悠は、老人に告げる。ギョロ目の老人が、組んだ手の奥で、満足そうに唇をつり上げた気がした。
目を覚ますと、青い部屋にいた。
静かで冷たく、自分の体温と鼓動がはっきりと浮き彫りになるような青だ。圧倒的な青の空間に、少年はあっけにとられた。
「ようこそ、ベルベットルームへ」
覚えのない招待の言葉が、少年の意識を引き戻す。彼の正面には、奇妙な出で立ちの2人が座っている。
1人は、鼻が長い痩躯の老人である。何が興味深いのか、悠をギョロリとした眼でまばたきもせずに見つめている。その横にもう1人、部屋と同じ青のコートを纏った銀髪の女性が、車の座席に控えている。
「ほう……これはまた、変わった
老人の見透かすような瞳に、現実みのない青の部屋に、少年はどうするべきか、分からない。
「貴方の名前をお伺いしても?」
少年の、名前が知りたいと老人は告げる。本当ならば、何の関わりもない他人に名前を教えるなんて、危険行為だ。しかし悠は、青の部屋に奇妙な縁を感じた。きっと、自分はまた、ここに来る。
「
だから少年──鳴上 悠は、老人に告げる。ギョロ目の老人が、組んだ手の奥で、満足そうに唇をつり上げた気がした。
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