サンストーンのあなた
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地を揺らす轟音が理の意識を引き戻す。多分、瑞月が氷壁を生成したのだろう。それだけでなく、瑞月は襲い来るシャドウを倒して倒して倒しまくっている。体力と精神力の消耗が心配だ。
「ここまでの大技を連発して、息を切らしていないとは……なんてメンタリティだ」
「それだけではない。彼女は索敵能力も持っているそうだが、ナビには遠く及ばないという話ではなかったか? 明らかに、二人の気配を正確に察知しているようだが」
「花村くんが危険に晒されると、なりふり構わなくなるというか、色々な枷 が外れるんです。彼女」
「それだけじゃないクマよ。ツキチャンのペルソナは、ヨースケの位置なら絶対に分かるらしいクマ。恋はいつでもハリケーン!」
「そ、それはまた特殊なペルソナだな」
真田と美鶴の呈した疑問に、雪子とクマが口々に答える。美鶴は驚きに目を丸くした。
「善、恋はハリセンだって。どういう意味だろう?」
「ハリケーンだそうだ、玲。ハリケーンが何なのか、私はよく知らないが」
「竜巻みたいな、強い風のことだよ。雷と激しい雨を引き連れて、周りのものをひたすらに壊していく災害だ」
「へー……、おっかないんだ」
「そうか。たしかにシャドウを一掃する、今の彼女のようだ」
2人の疑問を、理は適当にあしらっておく。放置したら、玲はいつまでも問い続けるだろう。正確に言えば、ハリケーンとは『北大西洋および北太平洋東部で発生する発達した熱帯低気圧』を示す。が、記憶喪失の善と玲に説明してもややこしくなるだけだ。善と玲は納得した様子なので、理は良しとした。
「つまり、瀬名ちんが敵を蹴散らすバーサーカーみたくなってるのは、愛のせい?」
「探偵として抽象的な概念に賛同すべきではありませんが……そうかもしれません。ペルソナは、心の力。強大な感情は、時として絶大な力を与えます。よく言われるのは、火事場の馬鹿力ですね。生身の人間でもそうなのですから、心と密接な繋がりがあるペルソナへの恩恵は、比ではないかと」
「くー、そこまで愛されてるなんて、花村は羨ましいねぇ!」
「ここまでなっちゃうのは、ちょっと怖いけどね……。」
「瀬名先輩は良識のある人ですから、怖がらなくても良いかと。暴走すると、防弾ガラス越しに銃弾を浴びせられる感覚はありますが……」
順平の意見に、意外にも賛同したのは直斗だった。明らかに、修羅のごとき瑞月の所業に顔を青くしているゆかりに、直斗が弁明を加える。アイギスはというと、通路に転がるシャドウの残骸を興味深そうにカウントしていた。
「生身でありながら、これだけのシャドウの撃破数。瀬名さんの身体能力とペルソナ能力はとても興味深いのであります」
「……女の人って、たくましいんですね」
「ワンッ」
「天田、瀬名先輩がたくましすぎるだけだぁ」
天田の呟きに、コロマルが目をキラキラと尻尾を振った。純粋に、瑞月の強さに憧れを覚えているらしい。2人の隣を走っていた完二はというと、げんなりしている。何やら完二は、彼女に思うところがあるらしい。口を出せば話が脱線しそうな予感がして、理は沈黙を決めた。
「ここまでの大技を連発して、息を切らしていないとは……なんてメンタリティだ」
「それだけではない。彼女は索敵能力も持っているそうだが、ナビには遠く及ばないという話ではなかったか? 明らかに、二人の気配を正確に察知しているようだが」
「花村くんが危険に晒されると、なりふり構わなくなるというか、色々な
「それだけじゃないクマよ。ツキチャンのペルソナは、ヨースケの位置なら絶対に分かるらしいクマ。恋はいつでもハリケーン!」
「そ、それはまた特殊なペルソナだな」
真田と美鶴の呈した疑問に、雪子とクマが口々に答える。美鶴は驚きに目を丸くした。
「善、恋はハリセンだって。どういう意味だろう?」
「ハリケーンだそうだ、玲。ハリケーンが何なのか、私はよく知らないが」
「竜巻みたいな、強い風のことだよ。雷と激しい雨を引き連れて、周りのものをひたすらに壊していく災害だ」
「へー……、おっかないんだ」
「そうか。たしかにシャドウを一掃する、今の彼女のようだ」
2人の疑問を、理は適当にあしらっておく。放置したら、玲はいつまでも問い続けるだろう。正確に言えば、ハリケーンとは『北大西洋および北太平洋東部で発生する発達した熱帯低気圧』を示す。が、記憶喪失の善と玲に説明してもややこしくなるだけだ。善と玲は納得した様子なので、理は良しとした。
「つまり、瀬名ちんが敵を蹴散らすバーサーカーみたくなってるのは、愛のせい?」
「探偵として抽象的な概念に賛同すべきではありませんが……そうかもしれません。ペルソナは、心の力。強大な感情は、時として絶大な力を与えます。よく言われるのは、火事場の馬鹿力ですね。生身の人間でもそうなのですから、心と密接な繋がりがあるペルソナへの恩恵は、比ではないかと」
「くー、そこまで愛されてるなんて、花村は羨ましいねぇ!」
「ここまでなっちゃうのは、ちょっと怖いけどね……。」
「瀬名先輩は良識のある人ですから、怖がらなくても良いかと。暴走すると、防弾ガラス越しに銃弾を浴びせられる感覚はありますが……」
順平の意見に、意外にも賛同したのは直斗だった。明らかに、修羅のごとき瑞月の所業に顔を青くしているゆかりに、直斗が弁明を加える。アイギスはというと、通路に転がるシャドウの残骸を興味深そうにカウントしていた。
「生身でありながら、これだけのシャドウの撃破数。瀬名さんの身体能力とペルソナ能力はとても興味深いのであります」
「……女の人って、たくましいんですね」
「ワンッ」
「天田、瀬名先輩がたくましすぎるだけだぁ」
天田の呟きに、コロマルが目をキラキラと尻尾を振った。純粋に、瑞月の強さに憧れを覚えているらしい。2人の隣を走っていた完二はというと、げんなりしている。何やら完二は、彼女に思うところがあるらしい。口を出せば話が脱線しそうな予感がして、理は沈黙を決めた。