falling down
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悠と瑞月が教会の扉へと手を掛けると同時に、どこからか呑気な機械音声が降ってきた。
『さぁ、お待ちかねだよ。いよいよ新郎新婦のご入場だ』
『君たちは結婚してもいいし、しなくてもいい』
『君たちは自由意志によって、永遠の愛を誓うことにした』
『さぁ、2人で扉を開けたまえ!』
「永遠の愛を誓わせた瞬間に、シャドウが襲いに来る教会とか趣味が悪すぎんだろ……」
「同感だな。だからこそ生きて帰るぞ、陽介、瀬名」
「ああ、やらなければいけないこともあるからな」
そういって、瑞月は隣の2人を盗み見た。これから始まる戦いへの覚悟を確認する。悠の合図があって、瑞月は教会の扉を押し開いた。
教会の祭壇にて、それは瑞月たちに背を向けていた。帽子も異様に幅のある肩幅に合わせた祭服も不吉な黒で統一されている
「祈りナ・サーイ」
それが腕を広げた。肩が異様なほど隆起し、4対の腕が対角線上に広がる。それは異貌の神父だった。
「誓いナ・サーイ!!」
神父は大きく飛び上がる。天高くで身をよじり、肩にかかった白いストラがたなびく。放物線が神父の軌道を確定したその瞬間、陽介が叫んだ。
「いっけぇ、ジライヤァ!!」
ドンッと教会の外で何かが打ち出された。とっさに瑞月たちは身体を伏せる。壮絶な音を立てて教会の入り口が打ち砕かれた。銀色の刃が一直線に閃いて、落下中の神父を貫く。神父の悲鳴に瑞月は面を上げ、不敵に笑った。神父の胸には、深々とイザナギの大太刀が突き刺さっている。
「うっしゃー、奇襲成功!」
「ヨナガヒメ!」
ヨナガヒメが動く。両手を突き上げた陽介の頭上を、鈍色 の蛇が駆けぬける。正確には蛇ではない。生物の俊敏さを持つ鉄の鎖だ。それはヨナガヒメの袂から飛び出すと、獲物を捕らえる獰猛さで神父へと巻き付く。ヨナガヒメが無邪気に笑う。相手をいたぶるとき、彼女は無邪気に笑うのだ。
ためらいなく、ヨナガヒメは鎖を締め上げた。神父の肉体に鎖が食い込み、鎖は歪な文様となって、神父の体表に刻まれた。防御力を下げる補助魔法——ラクンダが発動する。
「ooOOOAAAaaAaaAAAHHHHHHHH!!!」
「イザナギ!!」
苦悶に跳ねる神父へと、イザナギが迫る。身動きが取れない神父にむかって、細く長い氷の筒を振りかぶった。
氷の筒は、イザナギの大太刀を打ち出した砲身だ。教会の外にて、ヨナガヒメが作り出した氷の砲身をイザナギが支え、ジライヤが筒の中で爆薬代わりに指向性の爆風を放ったのである。イザナギの大太刀を砲弾に用いた、氷のライフルによる奇襲作戦。
神父の顔面で氷の砲身が砕けた。息を吐く暇もなく、イザナギが大太刀を掴み取る。神父を貫くそれをさらに押し込むと、バチリとわずかに電流が爆ぜる。くぐもった呻きを神父があげる。瑞月は確信する。イザナギの電撃が効いていると。
そして、それを見逃す悠ではなかった。
「ジオンガ」
目を焼く紫電が炸裂した。鉄の大太刀を伝って、身体の内部から感電させる電撃攻撃。理解不能な奇声を発しながら神父は身体をばたつかせる。轟音が止むと同時に、パッと今まで解けなかったはずの手が離れた。
「これは!」
「しゃあ! これで連行される宇宙人から卒業できるぜッ」
「ああ、ペルソナに任せっきりにさせずに済む」
両手が自由になった陽介は、苦無を取り出して宙に投げた。悠は携えていた刀を引き抜き、重心を腰に据える。瑞月も斧槍を振りかざした。戦闘準備を終えた3人を、ヴェールのような光が包み込む。防御力を上げる支援魔法『強硬の法力』だ。
サイダーのように弾ける、甘い声が溌溂と響く。
『悠先輩たちみっけ! 見つけるのすごい大変だったけど、無事でよかった~』
「りせさん!」
「来たぜ! 我らが女神りせちーだ! これで勝つるッ」
後方支援のスペシャリスト、りせだ。神父からダウンをとったため、探知を妨害していた力が弱まったのだろう。瑞月たちを発見して間もないはずだが、必要な支援を的確に実行する手際の良さは健在である。特捜隊の頼れるナビゲーター——りせが力強く宣言する。
『先輩たちの状況は分かってる。みんなにも、ソッチへ急いでもらってるよ。私もバックアップするから合流まで耐えて! だからちゃんと『おかえり』って言わせてね!』
「うん」「おお!」「ああ」
瑞月たちが帰ってくると、疑っていない言葉だった。りせの鼓舞に、3人ははっきりと応える。起き上がる神父に向かって、ジライヤが手裏剣を叩き込んだ。ひるんだ神父の下に3人とペルソナは総攻撃を仕掛けるべく突撃する。
『さぁ、お待ちかねだよ。いよいよ新郎新婦のご入場だ』
『君たちは結婚してもいいし、しなくてもいい』
『君たちは自由意志によって、永遠の愛を誓うことにした』
『さぁ、2人で扉を開けたまえ!』
「永遠の愛を誓わせた瞬間に、シャドウが襲いに来る教会とか趣味が悪すぎんだろ……」
「同感だな。だからこそ生きて帰るぞ、陽介、瀬名」
「ああ、やらなければいけないこともあるからな」
そういって、瑞月は隣の2人を盗み見た。これから始まる戦いへの覚悟を確認する。悠の合図があって、瑞月は教会の扉を押し開いた。
教会の祭壇にて、それは瑞月たちに背を向けていた。帽子も異様に幅のある肩幅に合わせた祭服も不吉な黒で統一されている
「祈りナ・サーイ」
それが腕を広げた。肩が異様なほど隆起し、4対の腕が対角線上に広がる。それは異貌の神父だった。
「誓いナ・サーイ!!」
神父は大きく飛び上がる。天高くで身をよじり、肩にかかった白いストラがたなびく。放物線が神父の軌道を確定したその瞬間、陽介が叫んだ。
「いっけぇ、ジライヤァ!!」
ドンッと教会の外で何かが打ち出された。とっさに瑞月たちは身体を伏せる。壮絶な音を立てて教会の入り口が打ち砕かれた。銀色の刃が一直線に閃いて、落下中の神父を貫く。神父の悲鳴に瑞月は面を上げ、不敵に笑った。神父の胸には、深々とイザナギの大太刀が突き刺さっている。
「うっしゃー、奇襲成功!」
「ヨナガヒメ!」
ヨナガヒメが動く。両手を突き上げた陽介の頭上を、
ためらいなく、ヨナガヒメは鎖を締め上げた。神父の肉体に鎖が食い込み、鎖は歪な文様となって、神父の体表に刻まれた。防御力を下げる補助魔法——ラクンダが発動する。
「ooOOOAAAaaAaaAAAHHHHHHHH!!!」
「イザナギ!!」
苦悶に跳ねる神父へと、イザナギが迫る。身動きが取れない神父にむかって、細く長い氷の筒を振りかぶった。
氷の筒は、イザナギの大太刀を打ち出した砲身だ。教会の外にて、ヨナガヒメが作り出した氷の砲身をイザナギが支え、ジライヤが筒の中で爆薬代わりに指向性の爆風を放ったのである。イザナギの大太刀を砲弾に用いた、氷のライフルによる奇襲作戦。
神父の顔面で氷の砲身が砕けた。息を吐く暇もなく、イザナギが大太刀を掴み取る。神父を貫くそれをさらに押し込むと、バチリとわずかに電流が爆ぜる。くぐもった呻きを神父があげる。瑞月は確信する。イザナギの電撃が効いていると。
そして、それを見逃す悠ではなかった。
「ジオンガ」
目を焼く紫電が炸裂した。鉄の大太刀を伝って、身体の内部から感電させる電撃攻撃。理解不能な奇声を発しながら神父は身体をばたつかせる。轟音が止むと同時に、パッと今まで解けなかったはずの手が離れた。
「これは!」
「しゃあ! これで連行される宇宙人から卒業できるぜッ」
「ああ、ペルソナに任せっきりにさせずに済む」
両手が自由になった陽介は、苦無を取り出して宙に投げた。悠は携えていた刀を引き抜き、重心を腰に据える。瑞月も斧槍を振りかざした。戦闘準備を終えた3人を、ヴェールのような光が包み込む。防御力を上げる支援魔法『強硬の法力』だ。
サイダーのように弾ける、甘い声が溌溂と響く。
『悠先輩たちみっけ! 見つけるのすごい大変だったけど、無事でよかった~』
「りせさん!」
「来たぜ! 我らが女神りせちーだ! これで勝つるッ」
後方支援のスペシャリスト、りせだ。神父からダウンをとったため、探知を妨害していた力が弱まったのだろう。瑞月たちを発見して間もないはずだが、必要な支援を的確に実行する手際の良さは健在である。特捜隊の頼れるナビゲーター——りせが力強く宣言する。
『先輩たちの状況は分かってる。みんなにも、ソッチへ急いでもらってるよ。私もバックアップするから合流まで耐えて! だからちゃんと『おかえり』って言わせてね!』
「うん」「おお!」「ああ」
瑞月たちが帰ってくると、疑っていない言葉だった。りせの鼓舞に、3人ははっきりと応える。起き上がる神父に向かって、ジライヤが手裏剣を叩き込んだ。ひるんだ神父の下に3人とペルソナは総攻撃を仕掛けるべく突撃する。