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あとがき・次回予告

夢小説設定

この小説の夢小説設定
A Tale~の主人公であり、この話の主人公の娘。

 愛した人は、私の友でした。
 
 
 
 
 ネルファンディアの両親である父サルマンことクルニーアと、母エルミラエルの出会い、なかなか衝撃的ではなかったでしょうか?私自身もプロットを書きながら、戸惑いと驚きの連続でした。ネルファンディアにとっては良き父、中つ国の民には賢者として、そして指輪戦争の際には背信した強敵として皆様に印象を残したサルマン像が、少しだけ揺らいだのなら幸いです。
 そもそもこのようなサルマン、サルマンじゃない!と思われるかもしれませんが、私の夢小説はトールキンの生前に書いた遺稿を集めた『終わらざりし物語』を元に書いております。そこでは、かなり人間的なサルマンがたくさん見られました。何より興味深いのは、トールキンは亡くなる数ヵ月前まで、サルマンのキャラを悩み続けていたことでした。
 映画と原作本編では、ただ背信者として描かれていた彼ですが、特に今作『Long to Tell You』で少し別の表情を描いていきたいなと思っています。前作『A Tale of Erebor』では深く描かれなかった、何故彼はそこまで愛した妻を失ったのかという謎が、大きなキーワードになるかと思います。
 クルニーアがエルミラエルを愛したのは、たった一つの理由からだったと思います。それは、彼女がエルフ族という共同体では異質な存在であったことです。ガラドリエル役のケイト・ブランシェットさんは、「エルフは感情がないし、特に声を上げて笑うことをしない。笑っても千年に一度だと思う」と言及されています。しかし、エルミラエルはよく笑いますし、感情豊かなエルフです。だから、エルフらしくないエルフである彼女が感じていた生きづらさというものが、クルニーアの人間関係的な不器用さゆえに生きづらい辛さに共感できる要因になっています。クルニーアには親身に自分に寄り添い、共感してくれる友が居ませんでした。だからこそ、エルミラエルは唯一無二の友であり、彼が唯一愛した女性なのです。
 
 
 
 
 
 
 一方、エルミラエルはクルニーアのどこに惹かれていくのでしょう。それは今後の物語の中で明かされていきますが、少なくとも彼の真っ直ぐさが要因の一つに思われます。
 
 
 
 
 
 
 
 まだまだ長い(たぶんあと二部くらい続く)二人の物語ですが、時折挿入される第四紀パートでは、懐かしのメンバーが続々と登場する予定です。そちらの方もお楽しみに!
 それでは、また第二部のあとがきでお会いしましょう!
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