序、西方の地で【修正済み】
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「もう、書き残したことはないかな」
「長かったよな。指輪物語!フロドが置いていっちゃったからさ……」
時は中つ国第三紀、ゴンドールはアラゴルン王の統治時代。暗黒の日々は去り、人々は平和な暮らしを取り戻していた。サムは製本された自らの著作である、フロドたちと経験した旅の話を綴った物語を手に取りながら満足げに笑った。すると、非常に珍しい客人がやって来た。
「やれやれ、まだやり残したことがあるとは……ヴァラールたちも老体をこき使いおって……」
一同は驚いて振り返った。そう、その声の主はフロドと共に西へ旅立ったはずのガンダルフだった。
「ガンダルフ!!」
「まだお元気で……」
「元気で悪いか!ペレグリン・トゥック!」
「また何しに来たんですか?」
嬉しいのだが、驚きと疑問の方が先ん立つ。彼はガラドリエルからの書をサムに手渡した。そこそこな量に彼は息を飲んだ。
「………これは?」
「フロドとガラドリエル様が色々と話し合ってまとめたものじゃ。これを、本にしてやって欲しい」
ざっと目を通しただけでも膨大な量の書に、サムは頭を抱えそうになった。
そして、この日から再び彼の執筆作業が始まるのだった。
すっかり部屋に籠るはめになったサムを心配そうに気遣いながら、ピピンはガンダルフにワインを振舞った。
「また今度はなんの話なんですか?」
「中つ国、引いてはお主らの物語を語る上では最も重要な役割をする話じゃ」
彼は煙にまかれたような気がしてむすっとした。
「………誰の話?せめていつの話かでも!」
「そうじゃな…………中つ国に第何紀とつくはるか昔のとき………西方の世界が二つの木の時代と呼ばれた頃のことじゃ」
「ふぅん………」
それきりガンダルフは目を細めると、何も言わなくなってしまった。
一方で、サムは書き出しに悩んでいた。前回のように、ホビットが登場するならばお決まりの出だしで片がつくのだが…………
悩み抜いた末、彼はペン先にインクをつけると、すらすらと美しい字で筆をとりはじめた
「長かったよな。指輪物語!フロドが置いていっちゃったからさ……」
時は中つ国第三紀、ゴンドールはアラゴルン王の統治時代。暗黒の日々は去り、人々は平和な暮らしを取り戻していた。サムは製本された自らの著作である、フロドたちと経験した旅の話を綴った物語を手に取りながら満足げに笑った。すると、非常に珍しい客人がやって来た。
「やれやれ、まだやり残したことがあるとは……ヴァラールたちも老体をこき使いおって……」
一同は驚いて振り返った。そう、その声の主はフロドと共に西へ旅立ったはずのガンダルフだった。
「ガンダルフ!!」
「まだお元気で……」
「元気で悪いか!ペレグリン・トゥック!」
「また何しに来たんですか?」
嬉しいのだが、驚きと疑問の方が先ん立つ。彼はガラドリエルからの書をサムに手渡した。そこそこな量に彼は息を飲んだ。
「………これは?」
「フロドとガラドリエル様が色々と話し合ってまとめたものじゃ。これを、本にしてやって欲しい」
ざっと目を通しただけでも膨大な量の書に、サムは頭を抱えそうになった。
そして、この日から再び彼の執筆作業が始まるのだった。
すっかり部屋に籠るはめになったサムを心配そうに気遣いながら、ピピンはガンダルフにワインを振舞った。
「また今度はなんの話なんですか?」
「中つ国、引いてはお主らの物語を語る上では最も重要な役割をする話じゃ」
彼は煙にまかれたような気がしてむすっとした。
「………誰の話?せめていつの話かでも!」
「そうじゃな…………中つ国に第何紀とつくはるか昔のとき………西方の世界が二つの木の時代と呼ばれた頃のことじゃ」
「ふぅん………」
それきりガンダルフは目を細めると、何も言わなくなってしまった。
一方で、サムは書き出しに悩んでいた。前回のように、ホビットが登場するならばお決まりの出だしで片がつくのだが…………
悩み抜いた末、彼はペン先にインクをつけると、すらすらと美しい字で筆をとりはじめた