ピッフル国
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観客が溢れ、祝いの花びらのように紙吹雪がまう。レーシングカーよろしく、レースクイーンのお姉さん達まで揃っている。
賑やかで、晴れやかな本日は、〈ドラゴンフライレース〉開催の日です。
私、小狼、ファイ、モコナはエントリーするべく受付に来ていた。ちなみに動かない黒鋼と、緊張してるサクラにはわかりやすい場所で待ってもらっている。
大勢の人がエントリーしている中、私達も受け付けてもらおうと窓口へ赴く。
『エントリー、五人分お願いします』
「かしこまりました。こちらで入力しますからエントリーの人の名前と、機体名をお願いします」
「はーーい」
「乗り物のお名前決めてなかったねー」
機体の名前か…、そういえば考えてもなかった。みんなでうーーんと唸りながら頭をひねるとぴんっと短い腕をあげてモコナが飛び上がった。
「じゃーモコナ決めてあげる!」
「えっえっ」
「ファイのは、〈ツバメ号〉!
サクラのは〈ウィング・エッグ号〉!小狼のは〈モコナ号〉ーーー♡」
「じゃあ、黒たんのは黒いし大きいから〈黒たん号〉にしよーー」
『絶対後で怒られるやつね…』
「メイリンのはねーー」
『ス、ストップ!私は自分で決めます!』
いっぺんに、しかも高性能ロボット(に、見えるらしい)モコナから名前が次々と挙げられ、受付の人も慌てて入力していたから、ストップをかけた。あと、愛着のある機体なので自分で付けたい。
『メイリンです、機体名は〈ウミツキ号〉で、お願いします』
「…はい、エントリー完了です。二回の挑戦をくぐり抜けて、優勝目指して頑張ってください」
「「二回ーーー?」」
その声と共に、人数分のエントリーシートを貰い二人のところへ戻る。
人の波を、間を縫って歩いていると大きな黒い男と線の細い可憐な彼女が見えてきた。
「エントリーして来たよーー」
「よーー」
「なんかねー、レースって二回あるみたいー」
「あぁ?」
「予選と本選の二回ですわ」
そういって現れたのは、ボディーガードの方々を引き連れているダイドウジさんだった。主催がレース前にこんなところにいていいんだろうか。しかし、ダイドウジさんは焦った様子もなく、ゆったりとその口から説明がなされる。
「まず、今日行われるのが予選。その予選に勝ち残った方が本選に進むことができます。
そして、本選で優勝した方があの充電電池を手に入れることが出来る。…というわけで、早速撮らせて頂きますわーー♡」
ハンドカメラを片手にずずずっとサクラに近寄るダイドウジさん。やっぱり懐かしい気分になる。大道寺さんもよくああやってクロウカード集めの時について来てたなぁ。よく前に出がちだったから何度避難させたことか、と一人でしみじみしてしまう。
やっぱり居心地がいいと錯覚しそうな心に喝を入れるよう、選手の集合を知らせるアナウンスが流れた。
ーーーーーーーー
仰々しくトランペットの音と共に、アナウンスが流れる。
〈さぁ!始まります!ドラゴンフライレーーース!!!
今回は豪華賞品の為か、参加者も過去最高!しかし、この予選で20位以内に入らなければ本選には進めません!〉
20位。枠としたら多いように思うが、周りを見るとそれの十倍以上の参加者がいることから、狭き門だと改めて思う。
皆、それぞれの位置でスタートを待ち望む。
私も機体に乗り込み、最終確認をしている。と、なんだか周りが騒がしい。
「…なんだあの機体、本当にドラゴンフライ用なのか?」
「周りのぷにっとしたの、なんだろう…」
「後ろのひらひらは何の為に…?」
……色々噂されていたたまれないが、この子はちゃんと性能やステータスにも重きを置いた、歴としたドラゴンフライ用の機体である。車や飛ぶような見た目にしなかったのは、わざとだ。
それよりも!!なんだかたくさん見たことある顔がいっぱいある。龍王さんや、猫依さん、織葉さん、浅黄笙悟さん、空汰さん、正義くん、春香ちゃん、グロサムさんやカイル=ロンダートの顔までいる。懐かしいような、なんだかよく分からない感情が漏れ出てくる。
この顔ぶれなら黒鋼以外も懐かしいなぁー不思議だなーって感情が分かるんじゃないだろうか。
しかし、そんな感情の揺れなんか待ってくれず、開幕の声は響く。
〈お待たせしました、皆様!!時間です!
チェッカーフラッグを振るのは、我がピッフル国が誇る総合会社、ピッフル・プリンセス社の若き社長!!
知世=ダイドウジ嬢!!!!〉
〈ドラゴンフライレースのスタートだーーーーーー!!!!!!!!〉
ゴゥ!!!!とけたたましい音ともに皆が一斉に飛び立った。
(スタート!)