生存戦争編
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ーーぽこぽこ。
水を切る音が鼓膜を震わせた。
肺に取り込む空気は、陸の上とは違って膜で覆われているみたいに暖かい。いや、冷たいのかもしれない。
肌にまとわりつく水が、いつもだと深いところにいるような海水の温度だと気がつき、首を傾げた。しかし、そういえば。
海軍に氷の使い手が、確かいたはずだ。きっと悪魔の実の影響だろう。こんなことばかりさせてごめんね、と海に対して詫びると海水がすり寄ってくる。
無理ばかり言ってごめんなさい、ありがとう。
あなた達がいてくれるおかげでわたしは、わたしが歩みたい道に突き進める。
ーーその時。
小さな入江の波のように、澄んだ声がわたしの頬を掠めた。
“ーーーーー”
「……………え?」
*
響くのは、慟哭と銃声。
奪い奪われ、大地にその血を滴らせる。
幾度となく剣を交わらせ、拳を突き出し、互いの信念をへし折ろうと躍起になっている。
「走れーー!!船へ走れ〜!!!」
「エースさん、ルフィ君!!前を走れ!」
「ジンベエ!!」
「お前さん達ァ狙われとる!
一人でも多く生き残ることがオヤジさんの願いじゃ!!」
戦争のど真ん中。海俠のジンベエは大罪人麦わらのルフィと、この戦争の引き金とも言える火拳のエース二人の背中を走り、涙を流す。
大海賊白ひげへの弔いの涙。そして、別れの言葉すらも伝えられない理不尽に対しての涙だろう。元だとしても七武海にまで登った男の涙は、そう安くはない。
味方陣営が海軍の船を奪取し、号令を浴びせる。今は一刻も早く、この島から出なければ。
白ひげ海賊団の総大将が、殿を務めた意味がなくなってしまう。
しかし、全てを帳消しにするほどのグツグツと煮えたぎる熱気が、エース、ルフィを手助けするよう立ち回っていた海賊やインペルダウンからの脱獄囚を襲った。“それ”はとんでもない量のマグマだ。
人間が体の底から恐怖し、畏怖する存在。ひと目見ただけで逃げることが頭の中で第一の選択肢になる程の脅威。そんな恐怖が巨人の拳大になって襲い掛かった。
この戦争で何度も目にして、何度も絶望に陥れた海軍大将“赤犬”の姿だ。
「エースを解放して即退散とは、とんだ腰抜けの集まりじゃのう白ひげ海賊団。船長が船長…、それも仕方ねェか…!!
“白ひげ”は所詮、先の時代の“敗北者”じゃけェ…!!!」
その一言が、エースの頭に血を昇らせた。
少しだけでも考える力が残っていれば、聞き流せる余裕が残っていれば。こんなもの海軍の、負け犬の遠吠えであることを理解できただろうに。
しかし、そんな余力も余裕も、エースには残っていなかった。ザ、とエースは足を止めて赤犬へ視線を向かわせる。
「取り消せよ……!!!今の言葉…!!」
「おいよせエース、立ち止まるな!!」
「あいつ、オヤジをバカにしやがった…!!」
「エース!!」
せっかく枷を外して逃げ果せられたのに、エースの“白ひげ”というプライドがそれを許さない。
赤犬はこれ幸いとエースのメラメラと灯されたプライドに、ゆっくりと油を注いでいく。
「お前の本当の親父ロジャーに阻まれ、“王”になれず終いの永遠の敗北者が白ひげじゃァ!
どこに間違いがある…!!」
世間にも大々的に公表して、公開処刑まで行って、処刑時間すらも早めた。
ここで取り逃せば、海軍始まって以来の大失態だ。なんとしてでもコイツだけはここで終いにしなければ。
そう思ったのは、なにも赤犬一人だけではないだろう。海軍の上の地位に就く者皆が、心に宿した執着にも近い感情。
それを体現するように赤犬は今エースと、一つの“時代”と対峙している。
「オヤジオヤジとゴロツキ共に慕われて…、家族紛いの“茶番劇”で海にのさばり」
「ッやめろ!!」
「…何十年もの間海に君臨するも“王”にはなれず何も得ず…!!
終いにゃあ口車に乗った息子という名のバカに刺され、それらを守る為に死ぬ。
実に空虚な人生じゃあありゃあせんか?」
「やめろ…!!!」
ドボドボと注がれる油は、エースの心の火を燃え広がらせた。
“白ひげ”を傷つける言葉の数々で我を失ったエースに、周りの言葉はもう届かない。
「オヤジはおれ達に生きる場所をくれたんだ!
お前にオヤジの偉大さの何がわかる!!」
「人間は正しくなけりゃ生きる価値なし!!
お前ら海賊に生きる場所はいらん!!!」
赤犬は追い立てるように続ける。
「“白ひげ”は敗北者として死ぬ!!
ゴミ山の大将にゃあお誂え向きじゃろうがっ!!!」
「“白ひげ”はこの時代を作った大海賊だ!!
この時代の名がッ“白ひげ”だ!!!」
エースは仲間の制止すら聞こえず赤犬へと立ち向かう。灼熱の炎とドロリとした赤いマグマが轟音を上げてぶつかり合った。赤犬が悟られぬように注いだ油は無駄じゃなかった。エースが、乗ってきたのだ。
それは、赤犬の攻撃でエースの両腕が黒く焼かれた状況を見れば、明らかだった。
「ぐァァ!!」
「“自然系”じゃ言うて油断しちょりゃあせんか?お前はただの火、わしは火を焼き尽くすマグマじゃ!わしと貴様の能力は完全に上下関係にある!!」
ーー到底、勝てる勝負ではない。
言外に宣言されたが、エースの闘志はそんなもので消えはしない。しかし、度重なるストレスと疲労。そして両腕の重度な火傷。
地面へ膝をついて対策を考えていると、見下ろす赤犬はまた言葉を紡ぐ。
「“海賊王”ゴールド・ロジャー、“革命家”ドラゴン!!この二人の息子達が義兄弟とは恐れ入ったわい…!」
「!」
「貴様らの血筋はすでに“大罪”だ!!!
誰を取り逃がそうが、貴様ら兄弟だけは絶対に逃さん!!」
ーー何故、今改めてこんなことを宣言するのだろうか。
その問いに、赤犬は目線で答えた。
「よお見ちょれ」
「ーーーおい!!待て!!!!」
目線の先には、赤犬の拳の先にはもう立つことすら難しい麦わらのルフィがへたりこんでいた。彼の底知れない力も、折れない心も、今はマグマの熱を見上げるだけで精一杯だ。
「ルフィ!!!」
エースの叫び声が、聞こえる。
ーーけれど、喉を裂く程の声は突然降って沸いたように現れた水柱に遮られた。
「「「「!!?」」」」
バシャァンと、的確に赤犬だけを飲み込むそれを見て、エースは一瞬近くにいた海俠のジンベエに目をやるが、そのジンベエすらも突然の水柱に驚き目を見開いている。
まさか。なら、これは誰の仕業なのか…。
程なくしてはけていった海水、その場にうずくまって咳き込んでいる赤犬が現れる。
「ッエフッ、ごほ!!…誰じゃ貴様ァァ!!」
掴みかかる勢いで叫ぶ赤犬の目の前で、ルフィを護るように立ち尽くしていたのは、長く艶やかな髪を靡かせる一人の少女だった。
純粋さを表すような白のワンピースは少しだけ湿ってはいるが、彼女の白魚のようなか細い手足や、オートクチュールのような人形を思わせる顔(かんばせ)、表情などからは一切この“戦争”と紐づける印象はない。
むしろどこかの花畑や、閑静な浜辺にひっそりと佇んでいるような、そんな女の子。
けれど少女は、威嚇する赤犬から視線を逸らし、後ろでへたれているルフィに満面の笑みを見せた。
「…お、まえ、アンリ!!?」
「ーールフィ!助けに来たよ!!」
*
あたりを見渡すと、想像していたよりずっとひどく緊迫した雰囲気と、感じたことのない目の前の大男からの殺気に足がすくみそうになる。
けれど、ここまできたのだ。もう、わたしの腹は決まっている。
なんのモーションもなく、目の前の海軍大将と呼ばれている男はその腕をグラグラと煮立つマグマに変え殴りかかってきた。
少し脇にはエースさんと大きな魚人さん、そして後ろにはもう動く元気もない息の浅いルフィがいる。
わたしが、守らないと…!!
腕を振り上げた合図で海が触手のように畝りわたし達の目の前でマグマと対峙する。ぶつかり合い、消滅し合うマグマと海水。ジュワァアと大きな音を立てるが、マグマの方が勢力としてどうしても強く、振り上げた腕が次第に重度の火傷を帯びた。
「ぐっ、」
「アンリ!!」
痛い、熱い、痛い…!!!
脂汗が滲むが、クズクズになった腕は赤黒い火傷からすぐに真白の肌に戻った。
後ろにいるルフィは多少見慣れているからホッとしていたが、眼前の敵は厳つく寄ったその顔を意味のわからない物をみる表情に変えていた。
敵以外の、おそらく白ひげ海賊団の人達だって、気味悪がっていることだろう。それは、仕方ない。
“わたし”の存在が公になる。
これはポートガス・D・エース救出を決めた時、想像していた事だ。龍神様とてそれはきっと分かってくれるだろう。
元に戻った手をぐーぱーと開いて閉じて確認していると、目の前の海軍大将が再び大きく吠えた。
「お前は、一体何者じゃあ!!」
「わたし?
ーーわたしはただの、麦わらの一味の見習いだよ」
手の作動に違和感がない、わたしはまだ戦える。手筈通り海に次の攻撃を指示して、腕を上げると無差別に大粒の海水の球体を降らせた。
ルフィには被害が及ぶことはないし、肝心のエースさんは大きな魚人さんが抱えているので安心だ。その魚人さんとばっちり目があったのをいい事に、わたしはちょいちょいと手招きをするとびっくりしたように目を見開きながらもおずおずとこちらにきてくれた。
「アンタ何モンだ!?能力者か?」
「エース!
アンリはおれの仲間で、すげーんだ!!」
「……昔からずっと言われておった。
ヒレもエラもない人間が、海で生活しておると。“その方に会ったら頭(こうべ)を垂れろ。
さもなきゃ海が荒れて人が死ぬ”と。
そんな事あるはずない、と皆信じておらんかったが。……アンタが、“そう”なんか…?アンタが、龍神族の」
「今はあまり話してる時間がありませんが、もしわたしが“それ”なら助けてくれますか?」
ジンベエ、と呼ばれた魚人の大きな人は、ぐっと何かを自分の中で決めて眉に力を入れた。
きっと、己の中の信念が強い人のなのだろう。
「…わしは惚れ込んだ男にしか手を貸さん。
例えわしの血がアンタに頭を下げろ、従えと訴えてもそれは変わらん。」
「、」
「ーーじゃが、今は利害が一致しておる。ここでアンタを助けたとて、何も問題なかろう」
「!なら、たのみたいことがいくつかあるんですがっ、」
わたしがこそっと耳打ちすれば(にしては遠いが)、ジンベエさんは驚いたように目を見開いてわたしを見つめた。安心させるためににこっと笑って見せたがどうやら逆効果だったらしく心底不安そうな顔をしていた。
ルフィとエースさんは話が聞こえてないのか、二人とも首を傾げている。
「…アンタにそんな事できるんか」
「出来るかどうかじゃないです。やらないと、なにも変わらない」
「……わかった。お前さんを信じる」
ジンベエさんは視線をわたしに残しつつ、エースさんを再度背負って、ルフィを脇に抱えた。
ルフィは弱々しくわたしに手を伸ばしてきたが、やんわりとそれを押し返した。
「ルフィ、先に行って」
「…… アンリ、何言ってんだ」
「わたしはここで、大将を止める」
振り返ると、赤犬がもう近くまで来ていた。
ジンベエさんに行って、と短く告げるとあの人は理解したように海へと駆けていった。
わたしの名前を叫ぶルフィの声が、悲痛が溢れていた。そんな顔させたくなくて、頑張ってきたんだけどなぁ。
君が笑える日の為に、涙を掻き分けてここまで来たんだから。だから、笑ってよ。
わたしの太陽。
「ーーお前、自分が一体何をしたか分っちゃるんか?」
「……自分トコの船長に生きててほしいと思う事は、そんなに不自然?」
「さっきの水柱、この大雨、それに再生能力。ただのクズの見習いにしちゃ“異常”すぎる。
ーーッ貴様、まさか」
「何に気付いたのか知らないが、わたしはお前を足止めできれば、それでいい!!」
腕をタクトのように振るうと海は応えて津波の形のまま赤犬の横っ面を殴りつけた。相手がマグマである以上、先程のように海水は呆気なく蒸発するが、これが意志を持つ海水であるためか攻撃の手数を増やせば、ジンベエさんが海に潜るまでの時間くらいは稼げるはずだ。
負けるにしたって短期戦。
気を抜いたら勝負は一瞬で終わる。
わたしが“覚えている”のは、胸をマグマの拳で一突きされて死んでしまったエースさんだ。それなら、わたしがここを防げば、エースさんの死だって変わるはず…!!
たらりと垂れた鼻血には無視して、連続で水の猛攻をお見舞いする。
「(ごめんね、もう少しだけわたしに力を貸して…!!)」
「…ガハッ、おんのれクソガキィッ…!!」
「もう一発…!!」
手を振り上げたが、水の拳は飛ばず、空中で氷像になっていた。どうして、と周りを見渡せば一人だけ白い吐息を吐く大男がコツコツと歩いてくる。氷使いが、出てきたか…!!
「待てよサカズキ。
お前が相手するとこの子死んじまうだろ」
「…クザン。どのみち自分からこの戦場に出張ってきたんじゃ、死ぬ覚悟くらい当たり前じゃろう…!!」
「海を自在に操る能力、加えてどんな傷でもたちまち治るときたら、“アレ”しかないでしょ。」
二人の話し声はよく聞こえないが、どうやら氷使いの海兵が赤犬を止めてくれているらしい。
猛攻がない今のうちに、息を整えたいな…。
渋々、というよりもあまり納得していないみたいに赤犬は熱り立ってわたしを避けてジンベエさんの逃げた方向へ向かった。そんなことさせない!!わたしは海の触手を伸ばすが、赤犬に届く前にパキパキと形を成して固まってしまった。…冷気が、肺を侵食する感覚がじわじわと襲う。
「そう焦りなさんな。
嬢ちゃんの相手はおれがするから、うちの奴の邪魔しないでやってくれる?」
「ふざけ、ないで!!!」
「ーーおっと。嬢ちゃんの攻撃は脅威だが、戦闘自体が不慣れだな。手法が一辺倒だ。
そんなんじゃ、この戦場であっさり死ぬぞ」
海水で何度殴り付けてもその度凍らされてしまえば手も足も出ない。赤犬の猛攻も体力面でキツかったけど、これはこれでとんでもなく厄介だ。
「そこ、どいて…!!
わたしは絶対、勝たせるって決めてるのッ」
「あ〜〜、コリャ説得は無理そうか?アンタはこの戦争云々じゃなしに用があるんだが。
かわい子チャンにゃちと酷い(むごい)かも知れんが、しゃーねェな…」
突然、寒さというよりも刺すような痛みが足を伝って心臓へ届く。避けようとするが、身体が全く動かなかった。
一瞬何が起こったか分からずぐっと足を動かそうとすると、嫌なくらい冷や汗が全身から噴き出した所でわたしはやっと足元に視点を合わせた。足首から下がガッチリと凍り付いてしまっていた。どうやら本当にわたしをここから逃さない気らしい。
「言ったろ。足元ばっかり見てると、この戦場じゃ死ぬってな」
刹那。低い声がわたしのすぐそばで聞こえた。
さっきまでは距離があったはず。視線を上げればもう氷使いの斬撃が目の前だった。
こんな、こんなところで。
わたしは役に立たなくなるの?
やっぱり“運命”には、抗えないの?
反射的にぎゅっと目を瞑り、自分の無力さに後悔した。
しかし、いくら待っても斬撃はわたしの体を襲わなかった。
ちら、と瞼を細く隙間だけ開けてみると、目の前には優しく静かに燃える青い鳥がいた。
*
時は数分前に遡る。
己の息子と最期の会話をした直後。白ひげは空から黒点のような小さな少女が落ちてきたのを片方だけになった視界で察知していた。
あれが何なのかわからない。しかし、どことなく懐かしいような気がした。
そのよくわからない少女は、海賊のような猛々しさもなく。ましてや海軍のような厳しさも持ち合わせてはいなかった。
よく言えばこの戦場ではなく花畑で蝶と戯れているのが似合う、悪く言えばこの戦争には敵にも味方にも戦力的にはゼロ、いや足を引っ張る場合はマイナスにだってなり得そうな見た目だった。
けれど、その少女が麦わらの少年に届くはずだった拳を防いだのだ。
白ひげ自慢の息子である所のエースよりも早く、志が共にある元七武海の海俠のジンベエよりも凄まじい波の飛沫を上げて、赤犬を海水の水柱で一時的ではあるが攻撃を無効化した。
場にいた海賊も海軍もインペルダウンの可笑しな囚人だって、皆一同に唖然とした。
時が、止まったようにも感じたくらいだ。
白ひげは事の状況を理解したあと、己が死に際にクツクツと笑いが込み上げてきた。
もう何十年も前に一度だけ見た女の海賊が、ちらりと頭をよぎったから。こんな最期の最期になって、あの輝かしい時代を思い出させてくれるだなんて。
あの少女に手を貸す理由はそれだけでよかった。すぐに対岸にいた息子に大声で呼びかける。
「マルコォ!!!」
「親父!!待ってろすぐッッ…!!!」
「アホンダラァァ!!そうじゃねェ…!」
「けどなぁ!!」
「おれの事ァいい!!あの女に手ェ貸してやれ!」
「けど、そんな事すりゃ親父が!」
「うるせェ…!!
おれァ、困ってる女に手も差し伸べらンねェ男に育てた覚えはねェぞ!!!」
「…ッックソ!!分かったよい!!」
白ひげが制する対岸から、一羽の青く燃ゆる鳥が飛びたった。
白ひげの目の前には海軍が多勢。こちら側にはほぼ己の息子達は居らず。先の攻撃で顔も半分失い、視界は欠けている。
ーーしかし。両腕両足共にあり、白ひげの背丈ほどある大刀だって、両手で握っている。グラグラの能力も未だ健在。
なにより、エースの命も無事なのだ。
海軍の奴らの焦りように、無意識にだが口角がゆっくり上がる。
「…まだまだ!!」
(幻影に押される背中)