粟島様(あわしまさま)〜2022年七夕に寄す〜
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時間的に少し前のことになる。夜になり、藍染達はまた虚生成の実験に暗躍していた。藍染は現場に出発する前に、念には念を入れて東仙と座標の位置を確認していた。前回の記録が残っていたが、どう確認し直しても、座標が示している位置は美里の家からは離れた大きな空き地だった。藍染はいぶかしく思い、やはり自ら出向くことにしたのである。
見慣れた広場の隅に祀られている石塔の前に、ラムネのケースが置かれていた。
「お、うまそうや。」
市丸はラムネを一本手に取った。
「ギン、よさないか、罰当たりな…。」
藍染は市丸をたしなめた。
「だってこれ、賞味期限切れとるよ。どう見たってお供え物やないやろ。」
そう言ってあっという間に封をはがすと、市丸は器用にラムネのガラス玉を落として栓を開けた。一気にビンを傾けると、
「冷えてないけどうまい。」
と言ってニイッと笑った。それを見た配下の死神達も、一人、また一人とラムネを手に取り、口を開けてのどを湿した。
「藍染隊長もどう?」
頼んでもいないのに勝手に栓を開け、市丸は藍染に向けてラムネのビンを差し出した。賞味期限が切れているものを飲むのも気が進まなかったが、藍染はなんとなく氏神への敬意にかける、と感じていた。手を伸ばさないでいると、市丸が無理やり藍染にビンを握らせた。不承不承、藍染はラムネを口にした。中身は傷んでおらず、懐かしい味がした。思わず一本空にしてしまうと、市丸が満足げに笑っていた。
「黙って頂いてしまったのだから、せめてビンはきちんと片付けるように。」
と藍染が指示すると、皆空のビンを一角に集めて収めた。
そうこうしているうちに、虚の気配を感じた。
(来る…!!)
全員が斬魄刀を握り締めた。今日の虚はいつもより大型で、動きも迅速、凶暴な長爪を持っていた。虚の長爪の一閃が藍染達を襲った。藍染達は攻撃から逃れたが、虚の爪先が、「昌田町集会所」と彫られた石碑を破壊してしまったのである。石碑はすっぱりと斜めの切り口を呈し、上半分が音を立てて落ちた。その音を聞きつけた美里が、手にほうきを持って飛び出してきた。
本人は気付いてもいないが、美里、絶体絶命のピンチであった。
見慣れた広場の隅に祀られている石塔の前に、ラムネのケースが置かれていた。
「お、うまそうや。」
市丸はラムネを一本手に取った。
「ギン、よさないか、罰当たりな…。」
藍染は市丸をたしなめた。
「だってこれ、賞味期限切れとるよ。どう見たってお供え物やないやろ。」
そう言ってあっという間に封をはがすと、市丸は器用にラムネのガラス玉を落として栓を開けた。一気にビンを傾けると、
「冷えてないけどうまい。」
と言ってニイッと笑った。それを見た配下の死神達も、一人、また一人とラムネを手に取り、口を開けてのどを湿した。
「藍染隊長もどう?」
頼んでもいないのに勝手に栓を開け、市丸は藍染に向けてラムネのビンを差し出した。賞味期限が切れているものを飲むのも気が進まなかったが、藍染はなんとなく氏神への敬意にかける、と感じていた。手を伸ばさないでいると、市丸が無理やり藍染にビンを握らせた。不承不承、藍染はラムネを口にした。中身は傷んでおらず、懐かしい味がした。思わず一本空にしてしまうと、市丸が満足げに笑っていた。
「黙って頂いてしまったのだから、せめてビンはきちんと片付けるように。」
と藍染が指示すると、皆空のビンを一角に集めて収めた。
そうこうしているうちに、虚の気配を感じた。
(来る…!!)
全員が斬魄刀を握り締めた。今日の虚はいつもより大型で、動きも迅速、凶暴な長爪を持っていた。虚の長爪の一閃が藍染達を襲った。藍染達は攻撃から逃れたが、虚の爪先が、「昌田町集会所」と彫られた石碑を破壊してしまったのである。石碑はすっぱりと斜めの切り口を呈し、上半分が音を立てて落ちた。その音を聞きつけた美里が、手にほうきを持って飛び出してきた。
本人は気付いてもいないが、美里、絶体絶命のピンチであった。