粟島様(あわしまさま)〜2022年七夕に寄す〜
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数日後は現世の七夕だった。美里の町内では、氏神様である粟島様を祀り、子供みこしと短冊に願いを書いてつるす七夕祭りが毎年開かれていたが、数年前から集団感染を恐れて、粟島様を祀る祭りは、七夕だけでなく、盆暮れ正月と、全くなくなってしまった。美里の祖母だけは石塔の側にずっと住んでいるからか信心深く、何かにつけ粟島様を祀る行事を忘れず、お神酒を上げたり、ぼた餅を作って供えたりしていた。
しかし祖母も年を取った。七夕にお供えするぼた餅が作れなくなったと嘆いた。
「おばあちゃん、七夕の日は平日だけど、出来るだけ仕事から早く帰ってきて、私がぼた餅を作るから。」
そう言って美里は祖母を安心させた。
しかし七夕当日、美里は残業があった。先日美里にボコボコにされた男二人が、根回しをして仕事を押し付けてきたのである。
「クソ野郎共、覚えとけよ!!」
美里は22時に退勤のタイムカードを押した。どうしても早く帰って来られなかった。
家に帰ってくると、七夕なのに、粟島様にお供えするものが何もない、と祖母がオロオロしていた。美里は困って、仕入れたものの売れなくて、賞味期限が切れたラムネを一ケース、石塔の前に運んだ。
「今度の休みには必ず手作りのぼた餅をお供えしますから、今日はこれで勘弁して下さい!」
美里と祖母は石塔に手を合わせた。
「おばあちゃん、ごめん。」
美里は粟島様に手を合わせて目を閉じたまま、横で手を合わせる祖母に謝った。
「世代交代ってやつかねえ…。若い者は若い者のやり方に任せるよ。」
祖母は観念したようだった。
二人は家に入り、美里は遅い夕飯を食べた。茶碗を片付けて、美里はジャスミンティーを飲みながら、風呂に入る準備をしていた。その時ゴトッ、と物凄い音がして、ドスン!と重い物が落ちたような音が広場から聞こえてきた。美里と祖母は顔を見合わせた。
美里はほうきを引っ掴むと、勢いよく外へ飛び出した。
「ちょっと!!誰かいるの⁉」
美里は大声を出した。
美里には見えていなかったが、藍染達死神と虚が、戦闘の真っ最中だった。
しかし祖母も年を取った。七夕にお供えするぼた餅が作れなくなったと嘆いた。
「おばあちゃん、七夕の日は平日だけど、出来るだけ仕事から早く帰ってきて、私がぼた餅を作るから。」
そう言って美里は祖母を安心させた。
しかし七夕当日、美里は残業があった。先日美里にボコボコにされた男二人が、根回しをして仕事を押し付けてきたのである。
「クソ野郎共、覚えとけよ!!」
美里は22時に退勤のタイムカードを押した。どうしても早く帰って来られなかった。
家に帰ってくると、七夕なのに、粟島様にお供えするものが何もない、と祖母がオロオロしていた。美里は困って、仕入れたものの売れなくて、賞味期限が切れたラムネを一ケース、石塔の前に運んだ。
「今度の休みには必ず手作りのぼた餅をお供えしますから、今日はこれで勘弁して下さい!」
美里と祖母は石塔に手を合わせた。
「おばあちゃん、ごめん。」
美里は粟島様に手を合わせて目を閉じたまま、横で手を合わせる祖母に謝った。
「世代交代ってやつかねえ…。若い者は若い者のやり方に任せるよ。」
祖母は観念したようだった。
二人は家に入り、美里は遅い夕飯を食べた。茶碗を片付けて、美里はジャスミンティーを飲みながら、風呂に入る準備をしていた。その時ゴトッ、と物凄い音がして、ドスン!と重い物が落ちたような音が広場から聞こえてきた。美里と祖母は顔を見合わせた。
美里はほうきを引っ掴むと、勢いよく外へ飛び出した。
「ちょっと!!誰かいるの⁉」
美里は大声を出した。
美里には見えていなかったが、藍染達死神と虚が、戦闘の真っ最中だった。