カルファの美少女
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一番隊の客間に通され、書記官も交えて、カレの父親の失踪のあらましが報告された。カレは平静さを取り戻し、大人しくしていたが、目だけはきょろきょろと物珍しそうに動いていた。カレの父親は、子供を持ち、人様なりの幸せというものを知ってしまった、どうしてもカルファに帰りたい、しかし護廷隊に除隊、という言葉はない、自分は曲がりなりにも隊長に、とまで言われた死神、私情等は許されはしない、だが─。節を曲げてどうか家族の元に帰らせて頂きたい、と必死で訴えた。
これ程までに必死で、弱々しい父親を見たことのないカレは、何か父親の助けになることはないかと考えた。焔(ほむら)のお爺様、と彼女は山本総隊長を呼んだ。父親に、総隊長に無礼であろう、と叱られた。よい、よい、と柔らかい声で言い、山本は、可愛い娘じゃのう、と好好爺振りを見せた。カレは父親に、お父様、だってお爺様の後ろに、前にお父様が教えてくれた、不動明王とか言う焔の神様が見えるんだもの、と、言い放った。山本は、この娘は死神の素質があるのう、と興味深げに見やった。娘はどうか死神にだけは、と父親が言うより早く、焔のお爺様、私、死神になります、死神になって、お父様の代わりにこちらの世界を守ります、だからお父様はカルファに帰してあげて下さい、お願いします、と、娘が言ってしまったのである。父親は万事休す、と思った。
しかし山本の処置は寛大なものだった。カルファという国がある、マーベル大陸とはどのような地か、何故二つの世界は繋がってしまったのか、それを調査する任務を与え、カレの
父親を、護廷隊からの特命大使としてカルファに派遣する、という話に至った。カレの父親は山本総隊長に感謝した。山本はそれだけではなく、カレのことも気遣った。カレよ、そなたのお母様のように、女として生まれ、子を産み育てる幸せを選ぶ方が、そなたにとって幸せかも知れんぞ、と言い、頭を撫でてやった。カレは、ありがとうございます、と頭を下げると、私、お父様みたいな強い死神になりたい、そしてカルファもこちらの世界も護ります、と健気にもレイピア、『針水晶』を抱いて答えた。山本はほうっと笑うと、逞しい女(め)の子じゃ、とカレの父親に笑いかけた。
どうしても死神になりたい、というカレの願いを受け、翌日から母親が料理や針仕事、淑女としてのマナーを、家庭教師がカルファ一の大学院までの教養を、そして父親が死神としての技の全てを鍛え上げる日々が始まった。孫娘はすぐに音をあげて、女の子らしいところを見せると、彼女の祖父母は思っていたが、実際はその逆で、カレにとっては楽しくて仕方がない、といった体だった。まるで砂が水を吸うごとく、彼女は膨大な知識をどんどんと覚えていった。特に父親に剣の稽古をつけてもらうのが大好きで、彼女が十歳を越える頃には、父親の剣を飛ばすことが、十度に一遍はある程になった。
これ程までに必死で、弱々しい父親を見たことのないカレは、何か父親の助けになることはないかと考えた。焔(ほむら)のお爺様、と彼女は山本総隊長を呼んだ。父親に、総隊長に無礼であろう、と叱られた。よい、よい、と柔らかい声で言い、山本は、可愛い娘じゃのう、と好好爺振りを見せた。カレは父親に、お父様、だってお爺様の後ろに、前にお父様が教えてくれた、不動明王とか言う焔の神様が見えるんだもの、と、言い放った。山本は、この娘は死神の素質があるのう、と興味深げに見やった。娘はどうか死神にだけは、と父親が言うより早く、焔のお爺様、私、死神になります、死神になって、お父様の代わりにこちらの世界を守ります、だからお父様はカルファに帰してあげて下さい、お願いします、と、娘が言ってしまったのである。父親は万事休す、と思った。
しかし山本の処置は寛大なものだった。カルファという国がある、マーベル大陸とはどのような地か、何故二つの世界は繋がってしまったのか、それを調査する任務を与え、カレの
父親を、護廷隊からの特命大使としてカルファに派遣する、という話に至った。カレの父親は山本総隊長に感謝した。山本はそれだけではなく、カレのことも気遣った。カレよ、そなたのお母様のように、女として生まれ、子を産み育てる幸せを選ぶ方が、そなたにとって幸せかも知れんぞ、と言い、頭を撫でてやった。カレは、ありがとうございます、と頭を下げると、私、お父様みたいな強い死神になりたい、そしてカルファもこちらの世界も護ります、と健気にもレイピア、『針水晶』を抱いて答えた。山本はほうっと笑うと、逞しい女(め)の子じゃ、とカレの父親に笑いかけた。
どうしても死神になりたい、というカレの願いを受け、翌日から母親が料理や針仕事、淑女としてのマナーを、家庭教師がカルファ一の大学院までの教養を、そして父親が死神としての技の全てを鍛え上げる日々が始まった。孫娘はすぐに音をあげて、女の子らしいところを見せると、彼女の祖父母は思っていたが、実際はその逆で、カレにとっては楽しくて仕方がない、といった体だった。まるで砂が水を吸うごとく、彼女は膨大な知識をどんどんと覚えていった。特に父親に剣の稽古をつけてもらうのが大好きで、彼女が十歳を越える頃には、父親の剣を飛ばすことが、十度に一遍はある程になった。