カルファの美少女
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「藍染隊長、まだこちらにおられたのですか?」
カレは藍染に頭を下げてからそう言った。
「さすがは我が隊随一の剣士だね。先程の少女隊士達にも見習わせたいよ。」
藍染は苦笑した。
「嗚呼、先程の。あの年頃で隊士になったというから、どれ程の実力の持ち主かと思えば、まだ霊術院気分が抜けきれないのでしょう。隊の風紀に関わります。藍染隊長もあまり心違いをしている隊士達を、助長なされるようなお振舞いはお慎み下さい。」
彼女は辛辣だった。
「ハハハ、日比谷君に怒られてしまった。気を付けるよ。」
「何卒。」
カレは胸に手をやって優雅に礼をすると、藍染と並んで歩き始めた。
日比谷 カレという隊士は、まだ成人したばかりの年頃で、既に五番隊の五席を勤めていた。藍染としては彼女を三席に置きたい程に高く買っていた。斬術の腕は一番、鬼道等も申し分なく、事務の仕事も早くて優れている。隊の中では、副隊長の雛森よりも副隊長に向いているのでは、という声も上がっているが、それは藍染の謀る計画のため、彼は聞こえないふりをしていた。
またもう一つ、カレが五席以上になれない理由があった。ある時彼女の両親が藍染を訪ねて来て、大事な一人娘を、あまり高位に就けないで欲しいという。何故なら、いつか彼女に婿を取る時、娘があまりに男勝りでは、婿の来手がなくなると心配しているという。しかし藍染は、お嬢さんが高位に昇るのは、騎士であるところの「サー」の称号というものを受けるに等しいのだ、と説得しようとしたが、両親は譲らず、それならせめて五席まで、ということに話が落ち着いた。藍染は残念に思ったが、カレはあまり落ち込んだ様子もなく、両親の非礼を藍染に詫びた後、それならせめて婿が決まるまで、思い切りおてんばをして、五番隊の、護廷隊の、瀞霊廷のために尽力させて頂きたい、とお茶目に、そして誇り高く不敵に笑った。
彼女が隊からいなくなるのは寂しいことだな、と珍しく藍染は思った。しかしどうせこの世界は捨てていく世界である。そう、そして彼女も。
藍染は感傷めいたものを捨てた。それだけのことだと思った。しかし─。
いつまでも続かない平穏を、藍染は覚悟していたのだが、だが。
カレは藍染に頭を下げてからそう言った。
「さすがは我が隊随一の剣士だね。先程の少女隊士達にも見習わせたいよ。」
藍染は苦笑した。
「嗚呼、先程の。あの年頃で隊士になったというから、どれ程の実力の持ち主かと思えば、まだ霊術院気分が抜けきれないのでしょう。隊の風紀に関わります。藍染隊長もあまり心違いをしている隊士達を、助長なされるようなお振舞いはお慎み下さい。」
彼女は辛辣だった。
「ハハハ、日比谷君に怒られてしまった。気を付けるよ。」
「何卒。」
カレは胸に手をやって優雅に礼をすると、藍染と並んで歩き始めた。
日比谷 カレという隊士は、まだ成人したばかりの年頃で、既に五番隊の五席を勤めていた。藍染としては彼女を三席に置きたい程に高く買っていた。斬術の腕は一番、鬼道等も申し分なく、事務の仕事も早くて優れている。隊の中では、副隊長の雛森よりも副隊長に向いているのでは、という声も上がっているが、それは藍染の謀る計画のため、彼は聞こえないふりをしていた。
またもう一つ、カレが五席以上になれない理由があった。ある時彼女の両親が藍染を訪ねて来て、大事な一人娘を、あまり高位に就けないで欲しいという。何故なら、いつか彼女に婿を取る時、娘があまりに男勝りでは、婿の来手がなくなると心配しているという。しかし藍染は、お嬢さんが高位に昇るのは、騎士であるところの「サー」の称号というものを受けるに等しいのだ、と説得しようとしたが、両親は譲らず、それならせめて五席まで、ということに話が落ち着いた。藍染は残念に思ったが、カレはあまり落ち込んだ様子もなく、両親の非礼を藍染に詫びた後、それならせめて婿が決まるまで、思い切りおてんばをして、五番隊の、護廷隊の、瀞霊廷のために尽力させて頂きたい、とお茶目に、そして誇り高く不敵に笑った。
彼女が隊からいなくなるのは寂しいことだな、と珍しく藍染は思った。しかしどうせこの世界は捨てていく世界である。そう、そして彼女も。
藍染は感傷めいたものを捨てた。それだけのことだと思った。しかし─。
いつまでも続かない平穏を、藍染は覚悟していたのだが、だが。