TV Syndrome 〜サイト開設10周年記念〜
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「週の真ん中、申の刻ー!!」
司会のお笑い芸人二人組による掛け声を合図に、画面の中には風船や紙吹雪が弾ける。
今日も霊子テレビジョンの画面の中で、享楽の宴が始まる。『夕どきコンコン』と名付けられたバラエティ番組のイメージキャラクターはキツネだ。画面の中央のキツネのCGが番組タイトルに変わり、弾けて散って、今日の出演者達を映し出す。
その中に、彼女はいた。
カメラは舞台の出演者達を一巡して映すが、彼女が映ったその瞬間、彼女は拳を真っ直ぐ前に突き出し、何かを声を出さずに小さく呟いた。
『 … … … … … 。』
何と言っているのか、それは誰にも分からず、度々人々の物議を醸し出した。「想い人の名前じゃないのか」「好きな詩の断片じゃないのか」「恩人への感謝じゃないのか」…様々な憶測が飛び交ったが、彼女はそれをいつも黙って、美しい笑みでかわしていた。
「麻巳子…。」
藍染は知っていた。
藍染だけが知っていた。
今日もその姿に、聴衆と同じく胸を焦がす。
美しくなった―。
その姿に、藍染は熱い感慨を禁じ得ない。
誰にも言えない、誰にも知られてはいけない―。
それはお互いに同じこと―。
今日も画面を隔てて、それでも二人は、確かに繋がっている―。
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