長からむ〜藍染様お誕生日記念2025〜
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藍染が無間に投獄されてから、尸魂界は見えざる帝国の侵略を受けた。急遽総隊長へと任命された京楽は、八番隊から腹心を何名も引き抜いて一番隊の任務に就かせた、と聞く。
その中に、綾華がいた。
彼女は今、一番隊で隊務にあたっている。
見えざる帝国との戦いを越え、尸魂界は復興に力を尽くしている。
決戦に手を貸した藍染は、再び無間の中にいた。
あの髪束がどうなったのか、行方は誰も知らない。
藍染はあの髪束を、腰帯に挟んで虚圏まで携えていった。虚夜宮の石造りの自室でその髪束を撫でていると、天下を取ることなどどうでもいい気持ちになる程の安らぎに、手に覚えた感触に呆れる程恐ろしいものを感じた。
護廷十三隊との厳しい戦いの中、己の形態変化もあり、あの髪束はいつの間にか紛失し、何処かへいってしまった。無間に拘束されている藍染に、それを探す術はない。
第一、探す手間もいらない。
その美しい髪は、今、自らのすぐ側にある。
この無間の頭上、一番隊隊舎では、彼女が息をしているのである。
藍染が大人しくしているので、最近、見張りは京楽直々ではなく、一番隊の席官が担うようになってきた。彼女は席官に登位したと聞く。
いつの日か、彼女の美しい髪をまた拝めないだろうか。
今、ここでこうして同じく息をしていられるのは、彼女の髪の守護の力に、ほんのわずかでもあずかったが故のものだと、藍染は確信していた。それはあの髪の力を知る者だけが分かることだ。
彼女が無間にやって来る時、その時は、また男に髪をくれてやって、短くなった髪の時でないことを祈る―そんなことを考えて一日を過ごすのも、存外悪くないことだ。
彼女と自分は「奇人変人」。
いつかまた会えたら、骨の髄までしゃぶって、その心の美質を奥底まで探り尽くしてやる。そしてそのぬばたまの守護を、自らの再度の覇道に絡めることは出来ないだろうか―。
今度会えたら、次こそは髪束一つなんかでは済まさない、と、藍染は算段をめぐらせながらほくそ笑むのである。
〈了〉