長からむ〜藍染様お誕生日記念2025〜
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藍染は綾華の髪に執着し、人生を狂わされた一人かもしれない。
彼は彼女と別れた後も、あの髪束を大切にし、幾度も取り出しては撫でた。主を失ったというのに、その髪束は潤いを失うことが無く、撫でる度に藍染に安らぎを与えてくれた。それは母や子供時代のおもちゃのような安らぎとは別の、大人になってからでしか分からない部類の心地良さだった。
正直、共にした時間が短過ぎて、彼女の心根の良さは分からなかった。
「五番隊小町」の座には就かず、その後彼女は、八番隊へと異動していった。
八番隊での友人も出来たのだろう。ある日、町中を友人達と食べ歩きをしている彼女を見かけた。彼女は髪が伸びるのが早く、いくつかの季節が過ぎる頃には、もう彼女の髪は腰まで伸びていた。相変わらず吸い寄せられるようにみずみずしい黒髪で、おまけに髪の美しい後ろ姿に惹かれて顔を見やれば、顔形も美しいときている。「八番隊小町」の名を欲しいままにした彼女に狂わされた男も多かったと聞く。しかし八番隊は、「女性隊士は全て自分のもの」、という顔をしている京楽と、規律に厳しい七緒のお陰で、騒ぎらしい騒ぎは起こらなかった。死神は長命ゆえ、人生に色々な事が多く、綾華が伸ばした髪を、彼女にまとわりつく男にくれてやった、ということが何度かあった、という話を聞いた。
それだけのこと、と、藍染は思ったが、彼女にとって、自分もその並み居る男共と同じでしかなかったのか、と、悔しい思いがした。したのだが、彼女の髪が心を癒す力は大変なもので、藍染はだからと言ってその髪束を捨ててしまおうとは思わなかった。
未練ではない。
恐ろしい魔力のようなものがその髪束にはこめられていて、その並み居る男共の気持ちが、藍染には痛い程分かった。
彼女は普通ではない。
奇人なのは、自分も彼女も同じだ、藍染はそう思っていた。