シュークリーム・イヤーズ
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諏訪子の金銭感覚は辛辣なところがある。
市丸が、一個五百環の干し柿を食べてみたい、と言うと、
「干し柿は高くて一個三百環までです!!どうせむしゃむしゃいくつも召し上がるんでしょ!?普段使いのものは安くて結構!!」
と言って聞かなかった。
東仙が、出奔間際、最後に檜佐木のバイクのガソリン代を出してやり、藍染様の御心に内緒で浴させてやりたい、と言えば、
「死神には瞬歩というものがあるでしょう!?バイクなんて乗らなくて結構!!ガソリン代の補助はリッターあたり現世の通貨で百円までです!!端数は東仙隊長の自腹でお願いします!!」
と、温情を見せなかった。
ある日のこと、虚夜宮の藍染の宮女達が、お色気たっぷりに諏訪子に甘えた声で、
「諏訪子さん、藍染様に、もっと贅沢なお酒をご準備して下さるように言ってちょうだいよ。」
「私はもっと宝石が欲しいわ。」
「私は新しいドレス!」
と訴えかけてきた。
諏訪子はたじたじになりながらも我慢出来ず、
「皆さんが肉体労働をなさっているのは分かりますけど、おねだりは藍染隊長にお願いします!!もっとも藍染隊長がお許しになられても、私は許しません!!」
と言って、宮女達の不興を買った。
藍染は困ったように苦笑し、
「君もその肉体労働とやらをしてみるといいよ。ご褒美が欲しくなるから。」
と言って、諏訪子に許しを請わなかった。
「藍染隊長は、女性をそんな目に遭わせておられるのですか!?呆れて物が言えません!!傾城傾国にはお気を付けて下さいませ!!」
と、彼女は怒って言った。
「何だい、焼きもちを妬いてくれないのかい?」
と、藍染はまたしても苦笑していた。
「ご冗談も休み休みおっしゃって下さい!!惚れていれば、お金なんて取りませんよ!!」
と捨てゼリフを吐き、諏訪子は去って行った。
彼女はこざっぱりとした白い虚夜宮流の着たきりのドレスをいつも着ていて、少ない給料で虚夜宮が傾かないように常に気を配っている。帳簿は常に藍染と諏訪子の二人で確認しあい、信頼関係は強かった。藍染派の者達も、結局は彼女頼みなのである。
諏訪子が言いたい放題言えるのは、藍染とのその絆ゆえ、と言えた。