火鉢〜藍染様お誕生日記念2026〜
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この施設に収監されてから、もう何年になるだろうか―
一時は尸魂界は見えざる帝国の襲撃を受け、潰滅寸前にまで陥った。この医療尋問施設は地下にあったことであったり、危機的な状況下に十二番隊に隊長副隊長格が集まっていたこともあり、運良く破壊されずに難を逃れてしまった。
著しい混乱の中、依莉の配下達は、脱獄しようとか自刃しようなどと騒いでいたが、なんと、それもかなわない程、依莉達は肉体的に弱っていた。十二番隊の自白実験はそれは苛烈なもので、皆本当はまともに騒ぎを起こすことも出来ない程衰弱していたのである。
外では何も仔細が分からないが、何故か、藍染の凄まじい霊圧を感じた。
助けに来てくれたわけではなかろう、ということは分かったが、敵にも味方にも、どちらの力にもなれない程弱ってしまった自分達が、死神の矜持を持つ者として悲しかった。
せめて藍染の力になって死にたいー。
皆そう思ったが、しばらくの騒乱の後、またいつもの囚われの日々が戻ってきた。
藍染の霊圧は、また感じられなくなってしまった。
十二番隊の隊士達の私語を集めると、尸魂界は敵襲を受けたもののなんとか生き残り、藍染は再び無間に収監されたという。
世界は壊滅的な打撃を受け、復興に忙しく、そのお陰で自白実験は白紙となった。
そのことが依莉達に幸いした。その間に生き残った者達は、体力を取り戻すことが出来たのである。
今度こそ脱獄を図る―そう話し合っていた矢先、依莉達はもう用済み、とされ、他の獄舎に移監されることとなった。
彼女達は、白い布で口元を覆われ、鎖でつながれた手枷足枷をはめた体を白い外套で覆われた姿で、十二番隊の隊士達に囲まれながら施設を出た。足元は裸足である。
今度はどこに連れて行かれるのか分からない。口をきけば鉄拳を食らわされた。皆が依莉を守るように、彼女を真ん中に進んだ。
瀞霊廷の中心街の道の端を通った際には、道行く人々が避けて通るのが分かった。依莉達はいかにも訳ありの罪人の集団、という体で、すれ違う者達は、恐れ、依莉達が何者かも分からないというのに、面倒事をさけるために距離を置いた。
数年ぶりの外の空気は、あまりにも辛く、足元から心もとなさが忍び寄りふらつきそうだった。
再建された瀞霊廷の大通りにいくつか設置された、大型街頭スクリーンの前を通りかかった時である。
数年前はこんなものはなかったのに、と依莉達が警戒しながら思っていると、そこからはニュースが流れてきていた。
なんと、無間にいる藍染の様を写した映像が流れ、人々から怨嗟の声が上がった。
皆スクリーンの方を観た。
藍染は、穏やかに笑っていた。