火鉢〜藍染様お誕生日記念2026〜
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独房での生活は、それはわびしいものだった。
トイレと風呂は独房内に設置されていたが、それは「十二番隊の隊士に面倒をかけるな。自分でやれ。」ということだろう。毎回の食事は、おかずのない塩がゆと、なんだか分からない甘い味のついたドロっとした流動食だけで、その流動食に栄養素が含まれているのだろうが、なんとも十二番隊らしい。依莉はそれに迷わず手を付けた。
護廷十三隊は、一般大衆には人のよい顔を見せているが、反逆者には容赦ない側面を向けていた。
それでもそれをはねのけなければならない。
生きなければ―。
藍染を再起させるために―。
彼女は居並ぶ独房の仲間達に、食を拒否せず受け入れるように大声を上げて指示を出した。勿論彼女が毒味をした上で、である。
しかし囚人に与えられる食などたかが知れている。
依莉達はやがて痩せ衰え、力をなくしていった。
依莉は削げた胸や腰を、藍染に見られたくない、と恥じた。
囚人達は、自白剤を打たれ、順番に尋問された。藍染との虚夜宮での生活がどのようなものであったのか、調書を取るためである。
依莉は十二番隊の隊士に大事にされている方だった。それは藍染のもっとも近くにいて、彼女からより有益な自白を引き出せないかと期待されていたからである。
仲間達は乱暴な扱いを受け、精神錯乱を起こしたり、命を落とす者までいた。依莉はそれを耐え難く感じていたが、藍染の元に帰るまでは、と必死で耐えた。彼女も自白実験を受けたが、それは大変に苦しいものだった。薬剤や計器につながれた人ならぬ扱いに死にそうになっているというのに、涅マユリがやってきて、
「藍染とワイン風呂で戯れたことや、防水シーツをベッドに敷いて、泡立てた生クリームまみれで戯れたことが良かった、などという、下らん『思い出』は要らんのだヨ。もっと役に立つ情報はないものかネ?」
と蔑まれた時には、さすがに羞恥と怒りで精神的にズタズタになった。
大切な情報だけは絶対に吐かない―。
依莉達は、収監されながらも闘っていた。
藍染とて無間で闘っているのだ。
それでも十二番隊の過酷な自白実験に、命を落とす者が多かった。
依莉達が「もう用済み」とされ、医療尋問施設を出され、別の独房に移される頃には、藍染派の仲間達は、両手の指の数に足らぬまでになっていた。