美粧女〜藍染様お誕生日記念2023〜
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妙子はその晩、帯を解いて振袖を肩から落とすと、肌襦袢のまま、藍染が重ね衿に滑り込ませた文をこっそり取り出して広げて見た。そこには、
「次にお会いした折には
是非とも解衣猥笑したく候
親愛なる持等院家御息女妙子様
一番槍 藍染 惣右介」
とあった。
藍染は書の名手だと京楽から聞いていたが、ここまで見事な蹟を残すと思わず、妙子は思わず見とれた。それは今宵の自分の装いにも引けを取らない程優雅なものだった。
思わぬ官能的な文に、妙子は逆に純粋な切なさを覚えた。
妙子は乳母にだけ、この秘密を打ち明けた。乳母を味方につけなければ、やんごとなき身分の娘は、何も動きが取れないのである。
乳母は、藍染という男が、妙子をたぶらかしているだけかもしれない、と思い悩んだ。乳母はこっそり、藍染の身辺を家人に探らせた。しかしその家人は、藍染家の鋭い勘を持った家人に逆に説得され、藍染と直に面会してきたという。そして、大変な物を預ってきた。既に他界した藍染の母親がはめていたという、結婚指輪を託されて帰ってきたのだ。その白金の指輪の裏には、大粒の金剛石と、藍染家の紋が隠してはめ込まれていた。御息女に直にお渡し出来ない不徳をお許し頂きたい、との文まで添えてあった。藍染が直接持等院家に乗り込んでいったら、かえって妙子を傷付けてしまうかもしれない、という配慮が伝わってきた。
藍染とて思い悩んでいるのだ。
それを知って妙子は勇気を奮い起こした。
あの藍染の誕生日の夜から一ヶ月。
妙子には、四楓院家からの縁談が持ち込まれていた。