徒然
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(ちょっとちょっと!!藍染隊長が謀反人ってどういうこと!?)
非常時帯刀許可令が下りて、斬魄刀を慌てて腰帯に挿し込みながら、茜は驚きのあまりぶっ飛びそうだった。あの温雅な藍染が、最後に見せた冷ややかな口ぶりが思い出される。
(あー、バカだバカだ大バカだ!!何であの時気付かなかったんだろう!隊長と副隊長に怒られるーっ!!)
目をぎゅっとつぶって、おそろしーっ!とぶんぶんと首を左右に振った。
(それより今は瀞霊廷の人達を守らないと!)
茜は草鞋を履いて隊舎の庭に集合した。
首謀者の藍染を相手にするのはやはり席官だけで、茜達平隊士は、街中の警護が任務だった。
まとめ役の年長者の訓辞も終わり、いざ出陣、という時、茜の周りの空間が、もわんと歪んだ。そして彼女の足下の地面を削り取って、反膜が形成されようとしていた。その時である。
「青木君、いや茜。」
優しく、とろけそうな声で、藍染が彼女の名を呼んだ。
「我が可憐なる道化師、君は私と共に来てくれるだろう?」
恐ろしい程の霊圧に、茜は立っているのもやっとだった。
「私の妻が、ほら、君も知っているだろう、五番隊の元三席だった楽木君だよ。彼女を妻にと無理矢理さらっていったら、彼女が気うつの病にかかってしまってね、君が笑わせてくれたら、彼女も少しは気が晴れると…。」
「…つ、妻…。」
茜はわなわなしながら、藍染の霊圧で動かせもしない唇でつぶやいた。
「ふざけんなっ!!」
茜は藍染にかっと顔を合わせると、力いっぱい叫びを上げた。
「あ…、あんた妻…って…!バカにするんじゃないよ!!別にあんたに惚れてたとかじゃあないけど、そんなことって…!」
藍染の霊圧が凄まじ過ぎて、彼女は藍染を愛していたのかいなかったのか、そんなことも分からなかった。ただ、道化師として藍染についていくのは、あまりにも自分の心に反していると思った。
藍染を強い瞳で見やると、茜は己の斬魄刀で自分の足元をおもいっきり突いた。しかし地面は完全に砕けきらず、反膜が完全に閉じきってしまいそうになった、その時だった。六番隊の隊士達が、弱いながらも霊圧を集め、茜の立っている地面を鬼道で下から砕いたのである。彼女は反膜が形成される寸前に、土くれと共に落ちてきた。助かったのである。
茜は盛大に尻餅をついた。
「あいててて…、けほっけほっ…!」
いつもの茜らしさに、皆が笑い、彼女を涙ながらに介抱し、大丈夫か、と声をかけた。藍染はおやおや、という表情で笑うと、スッと姿を消した。