祈り〜藍染様お誕生日記念2024〜
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それからしばらくの時が経った。一度は敗れたと思った自分が、見えざる帝国から尸魂界を救う一助になるとは、思いもつかない運命をたどった。しかしそれは当たり前だと思う。自分の世界は、自分の手で守るものだ。
あれから世界は復興の道を歩んでいるが、どうやらあの神社は、戦災で消失してしまったらしい。あの娘は生きているだろうか、と思う。
「全ては君の視たとおりだった。でも…。」
でも、と思う。二万年の先に、何が待っているのか、君は教えてくれなかった。
心にもかけていなかったと思っていた、刹那にしか交わらなかった存在が、慕わしく懐かしい。
あのかすかな羨望の瞳ばかり思い出してしまう。私の未来は明るいと、そう思ってもいいのか。
「私はね、占いは良いことしか信じない質なんだよ、未央。」
返事をする者のない、無間の中で独りつぶやく。
いつか君が生まれ変わって、また道を示してくれることを願っている―
虫の良いことを考えて、今日も一日が過ぎる。
先が見えないことは、幸せなことだ、としか言いようがない。
藍染は笑って目を閉じた。
絶望の果てに命を落とした君の分まで生きる、いや、でもそうしたら、生まれ変わった君に会えないか―そもそも君は、まだ生きているかもしれない。
「先が見えない、とは、幸せなことだよ。」
全てはめぐる。
君にはまた会える気がする―彼は常々思っている。
それは『祈り』かもしれない。
全ての美しい思いだけが、時を越えて残るものなのだろう。
〈了〉
あれから世界は復興の道を歩んでいるが、どうやらあの神社は、戦災で消失してしまったらしい。あの娘は生きているだろうか、と思う。
「全ては君の視たとおりだった。でも…。」
でも、と思う。二万年の先に、何が待っているのか、君は教えてくれなかった。
心にもかけていなかったと思っていた、刹那にしか交わらなかった存在が、慕わしく懐かしい。
あのかすかな羨望の瞳ばかり思い出してしまう。私の未来は明るいと、そう思ってもいいのか。
「私はね、占いは良いことしか信じない質なんだよ、未央。」
返事をする者のない、無間の中で独りつぶやく。
いつか君が生まれ変わって、また道を示してくれることを願っている―
虫の良いことを考えて、今日も一日が過ぎる。
先が見えないことは、幸せなことだ、としか言いようがない。
藍染は笑って目を閉じた。
絶望の果てに命を落とした君の分まで生きる、いや、でもそうしたら、生まれ変わった君に会えないか―そもそも君は、まだ生きているかもしれない。
「先が見えない、とは、幸せなことだよ。」
全てはめぐる。
君にはまた会える気がする―彼は常々思っている。
それは『祈り』かもしれない。
全ての美しい思いだけが、時を越えて残るものなのだろう。
〈了〉