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今日は本当に気分がいい。
宿の親父さんと、冒険者だというヴィンスさんに拾われてからもう二週間ほどだろうか。
相変わらず何も思い出せないままだけれど、親父さんの作ってくれるご飯はおいしいし、ヴィンスさんにもいろいろな事を教えていただけていて日々がとても充実している。
娘さんなんかは俺を心配してくれて何かと様子をうかがってくれるけれど、思い出せないものは仕方がない。
それになにより、今の所俺を探している誰かの話も聞かないらしいし。
誰にも探されてないのは少し寂しいけれど、でもそれってつまり、今のゆったりとした生活をもう少し楽しめるって事でしょう？
記憶が戻るまで、もしくは誰かが俺を探しに来るまで冒険者をやってみるのも悪くないかも、なんて思ってるんだけど………。
それは、もうちょっとしてから皆に打ち明けてみようと思う。
流石に、今以上に心配をかけたら親父さんの頭が心配だしね。