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いつも検体提供にご協力いただいている貴族のぼっちゃんが、大荷物で急に遊びにきやがった。
拠点バレの可能性も出るんで、そう言うのは勘弁して欲しいって前にもいったと思うんだがなぁ。貴族の考えることはよく解らんね。
しかも、とうとう巣の周辺で狩りをするのも飽きたんだろう。
大荷物をほどいたと思ったら、あいつ、自分とよく似た顔の検体をゴロゴロよこしてきやがる。
今日だけで12体とか勘弁してくれ。防腐処理で忙しくなんだろうが。
つーか、貴族なんて言う都合のいい身分を捨ててどうするつもりなんだ？アホか？？？証拠隠滅に一番いい楽な身分だってのに。
って、聞いたらなんと坊ちゃんは冒険者になるらしい。俺が表で世話になってる宿で。
本気か？って再三確認したんだが、強者との悦楽を求めてだとかなんとか言ってて忘れた。マジこいつなんなんだろう。戦闘とか殺戮とかが好きだよな、とは思ってたが、ここまでやるかね。

でもまぁ。
持ってきた検体の状態が、坊ちゃんにしては珍しく、いや奇跡的に完璧だったから全部許したし協力もしてやる事にした。
なんだかんだ、この坊ちゃんが一番仕事も研究もしやすくしてくれちゃうんだよなぁ。