ポッキーゲーム
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【レイジ×ポッキーゲーム】
「レイジさん...。」
「はい、どうしました?」
学校の科学室。
レイジさんは今日もここで紅茶をたしなんでいる。
当然私はいつも通り、
隣で芳香を楽しむだけ。
だけど今日は一つ...
「一つ、お願いがあります。」
「お願い?
これはまた随分と...しかし良いでしょう。
聞くだけ聞いて差し上げますよ。」
「ありがとうございます!
...実は、その、これなんですけど...。」
私が取り出したのはポッキー。
また箱も開封されてないもの。
「その菓子が、どうしました?」
「...レイジさん...その、
私とポッキーゲームしてください...!」
「...はあ?」
驚くこともなく明らかに呆れた表情で
レイジさんは私を見つめる。
ーーなんでこんな恥ずかしいこと...!
でも...試してみたかったりもする。
クラスの何人かが
この11/11ポッキーの日に乗っかり
わいわい騒いでいた。
その中で気になる噂が一つ。
【ポッキーゲームで勝てば
必ず恋人が出来る】
単なる噂、
だけどそれで出来たカップルの数が
物凄く多かったらしい。
ーーそれに私達の関係って...
やっぱり所有者と、被所有者でしかない。
それはきっと...ずっと変わらない。
おこがましいけど...試すだけなら...。
「馬鹿馬鹿しい。
なぜ私が貴女と
そのようなはしたないゲームを
しなければならないのですか?
それに、
私は今紅茶を飲んでいるんですよ。
そのような下賤な人間の作った菓子など
口にする気になれませんね。」
「でも、ポッキーじゃなきゃあれは...」
「...あれ?
何かあるのですか?」
ーーあ、声に出しちゃった...
「その...」
「言いなさい。」
「...はい、クラスで噂が...。」
「噂?どのような?」
レイジさんは真剣な目で私を見る。
見つめ続けられながら
さっきの噂を思い出すと顔が赤くなっていくのを
自分でも感じた。
レイジさんはこれに気づいたのか
ふっと笑って立ち上がる。
「どうせ貴女のことですから、
つまらない噂なのでしょう。
とるにたらない、まじないのような...」
そう言って私の手をとり
突然手の甲にキスを落とす。
私は更に緊張して真っ赤になった顔を俯けると
髪が横に落ちてきていい具合に顔を隠してくれた。
「例えば、
ゲームに勝てば願い事が叶うとか
...違うのですか。
では...
恋人ができる、のほうですか?」
「...!!!」
「おや、当たりですか。」
ーーレイジさん何で知ってるの!?
思わず目を瞑ると
予感していなかった重い声が降ってくる。
「すると貴女は今、
恋人にしたいと想い慕う者がいると言うわけですか。」
「.....はい。」
「ほう...それはそれはご立派に。
しかし、
無能で愚かな貴女の恋が実るとするなら...
その相手の人間性も計り知れますね...ふふ。」
そう言って笑うレイジさんは
なぜだか苦そうにしていたけれど
それ以上に引っ掛かったことが一つ。
よくわからずに
顔をあげて彼の顔を見ながら呟いた。
「...レイジさんの人間性...?」
「.........はい?」
ーー声に出しちゃった...!
と自覚すると
顔の熱が戻ってくるのを感じる。
私は更に思考とともに体も固まって
レイジさんから目を離せないまま。
「ですから相手の......?
まさか......ふ、ふふふ...
フハハハハハ!なるほど!」
顔に手をあてとても面白そうに笑い
納得したあと息を整えて私の方を見る。
「そういうことですか、すみません。
私としたことが配慮に欠けていましたね。クスッ。
前言撤回することになりますが...
ゲームのお相手、して差し上げますよ。」
まだ笑いがおさまらないみたいで
クスクスと笑い続けるレイジさん。
まさか私の思いを教えて
こんな展開になってしまった複雑だけど...
ーーレイジさんに勝てたら...
「じゃあ...これで。」
「早くしなさい。」
ポッキーを用意して互いに向かい合う。
スタートと同時に口をつけるため
目線が揃い、顔が近い。
緊張しながら息を整えていると
この至近距離でにっこりと笑いかけられ
脈が早まる。
ーーずるい!今の!
絶対わざとやった!
「あの秒針が12にたどり着いたとき、
それがスタート。よろしいですね?」
「はい!」
あと10秒。
ーーその間ずっとこの距離で、
見つめあいつづけるの?
胸が苦しくて仕方ないよ!
5秒、
4秒、
3秒、
「......ユイ」
「え?」
ふいに真顔で名前を呼ばれる。
反応する体全身が彼の次の言葉を待ったけど
その後に言葉は続かずに
2秒、
1秒.......
「.......!!!」
「........。」
一瞬含んだチョコの味。
しかしすぐに私の口から抜け出して
今はもうレイジさんの...
「え、ちょっと!」
「はい、貴女の敗けです。
残念ですね。叶わないということです。
諦めてください。」
「なっ!!
...引き抜くなんてありなんですか!?」
ポッキーゲームって普通
お互い端から中央に食べ進め合って
どちらが先に退くかで勝敗を決めるはず
なのにレイジさんは
私がくわえかけたその一瞬のうちに
私が食べ進める前に
ポッキーごと持っていってしまった。
「一口も食べ進められなかった
小心者が何を言うかと思えば...。
負け犬の遠吠えは見苦しいですよ。」
「食べる以前の問題ですよ!」
「それに、あくまでゲームであろうと、
私に勝負を挑むなんて...
貴女の一生かけても負ける気が致しませんね。」
口をハンカチで拭いてから
もう一度紅茶を淹れなおすレイジさん。
よほど口にあわなかったのか
ぶつぶつ文句を言っている。
「....。」
私は悔しさも緊張も通り越し、
放心して近くの椅子に座り込むと
レイジさんは手を止めた。
「しかしご安心なさい。
貴女は私の所有物なのですから。
貴女が私を失望させない間は...
側に置いて差し上げますよ。」
「レイジさん...!」
所有物なんて言い方をするけど
優しい表情に彼の思いが溢れていた。
それが伝わったことがとても嬉しくて
私は思わず涙をためて彼を見つめる。
「貴女が離れることなんて、
許しませんよ。」
「はい!」
こちらに近づき頭を撫でてくれる。
手つきの優しさに、
言葉の意味に溢れた涙を拭うこともせず
ただ笑うと
「......っ。」
おでこにキスが。
驚く私にふわりと笑いかけ作業に戻る。
「何を休んでいるのですか。
貴女も手伝いなさい。」
「はい!頑張ります!」
されるかと思って期待していた唇が
妙に寂しく感じた私。
いつの間にか欲だらけになってたことに気付いて
いつも満たしてくれていたレイジさんに
私はより深く惹かれてゆく。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
Next シュウ
「レイジさん...。」
「はい、どうしました?」
学校の科学室。
レイジさんは今日もここで紅茶をたしなんでいる。
当然私はいつも通り、
隣で芳香を楽しむだけ。
だけど今日は一つ...
「一つ、お願いがあります。」
「お願い?
これはまた随分と...しかし良いでしょう。
聞くだけ聞いて差し上げますよ。」
「ありがとうございます!
...実は、その、これなんですけど...。」
私が取り出したのはポッキー。
また箱も開封されてないもの。
「その菓子が、どうしました?」
「...レイジさん...その、
私とポッキーゲームしてください...!」
「...はあ?」
驚くこともなく明らかに呆れた表情で
レイジさんは私を見つめる。
ーーなんでこんな恥ずかしいこと...!
でも...試してみたかったりもする。
クラスの何人かが
この11/11ポッキーの日に乗っかり
わいわい騒いでいた。
その中で気になる噂が一つ。
【ポッキーゲームで勝てば
必ず恋人が出来る】
単なる噂、
だけどそれで出来たカップルの数が
物凄く多かったらしい。
ーーそれに私達の関係って...
やっぱり所有者と、被所有者でしかない。
それはきっと...ずっと変わらない。
おこがましいけど...試すだけなら...。
「馬鹿馬鹿しい。
なぜ私が貴女と
そのようなはしたないゲームを
しなければならないのですか?
それに、
私は今紅茶を飲んでいるんですよ。
そのような下賤な人間の作った菓子など
口にする気になれませんね。」
「でも、ポッキーじゃなきゃあれは...」
「...あれ?
何かあるのですか?」
ーーあ、声に出しちゃった...
「その...」
「言いなさい。」
「...はい、クラスで噂が...。」
「噂?どのような?」
レイジさんは真剣な目で私を見る。
見つめ続けられながら
さっきの噂を思い出すと顔が赤くなっていくのを
自分でも感じた。
レイジさんはこれに気づいたのか
ふっと笑って立ち上がる。
「どうせ貴女のことですから、
つまらない噂なのでしょう。
とるにたらない、まじないのような...」
そう言って私の手をとり
突然手の甲にキスを落とす。
私は更に緊張して真っ赤になった顔を俯けると
髪が横に落ちてきていい具合に顔を隠してくれた。
「例えば、
ゲームに勝てば願い事が叶うとか
...違うのですか。
では...
恋人ができる、のほうですか?」
「...!!!」
「おや、当たりですか。」
ーーレイジさん何で知ってるの!?
思わず目を瞑ると
予感していなかった重い声が降ってくる。
「すると貴女は今、
恋人にしたいと想い慕う者がいると言うわけですか。」
「.....はい。」
「ほう...それはそれはご立派に。
しかし、
無能で愚かな貴女の恋が実るとするなら...
その相手の人間性も計り知れますね...ふふ。」
そう言って笑うレイジさんは
なぜだか苦そうにしていたけれど
それ以上に引っ掛かったことが一つ。
よくわからずに
顔をあげて彼の顔を見ながら呟いた。
「...レイジさんの人間性...?」
「.........はい?」
ーー声に出しちゃった...!
と自覚すると
顔の熱が戻ってくるのを感じる。
私は更に思考とともに体も固まって
レイジさんから目を離せないまま。
「ですから相手の......?
まさか......ふ、ふふふ...
フハハハハハ!なるほど!」
顔に手をあてとても面白そうに笑い
納得したあと息を整えて私の方を見る。
「そういうことですか、すみません。
私としたことが配慮に欠けていましたね。クスッ。
前言撤回することになりますが...
ゲームのお相手、して差し上げますよ。」
まだ笑いがおさまらないみたいで
クスクスと笑い続けるレイジさん。
まさか私の思いを教えて
こんな展開になってしまった複雑だけど...
ーーレイジさんに勝てたら...
「じゃあ...これで。」
「早くしなさい。」
ポッキーを用意して互いに向かい合う。
スタートと同時に口をつけるため
目線が揃い、顔が近い。
緊張しながら息を整えていると
この至近距離でにっこりと笑いかけられ
脈が早まる。
ーーずるい!今の!
絶対わざとやった!
「あの秒針が12にたどり着いたとき、
それがスタート。よろしいですね?」
「はい!」
あと10秒。
ーーその間ずっとこの距離で、
見つめあいつづけるの?
胸が苦しくて仕方ないよ!
5秒、
4秒、
3秒、
「......ユイ」
「え?」
ふいに真顔で名前を呼ばれる。
反応する体全身が彼の次の言葉を待ったけど
その後に言葉は続かずに
2秒、
1秒.......
「.......!!!」
「........。」
一瞬含んだチョコの味。
しかしすぐに私の口から抜け出して
今はもうレイジさんの...
「え、ちょっと!」
「はい、貴女の敗けです。
残念ですね。叶わないということです。
諦めてください。」
「なっ!!
...引き抜くなんてありなんですか!?」
ポッキーゲームって普通
お互い端から中央に食べ進め合って
どちらが先に退くかで勝敗を決めるはず
なのにレイジさんは
私がくわえかけたその一瞬のうちに
私が食べ進める前に
ポッキーごと持っていってしまった。
「一口も食べ進められなかった
小心者が何を言うかと思えば...。
負け犬の遠吠えは見苦しいですよ。」
「食べる以前の問題ですよ!」
「それに、あくまでゲームであろうと、
私に勝負を挑むなんて...
貴女の一生かけても負ける気が致しませんね。」
口をハンカチで拭いてから
もう一度紅茶を淹れなおすレイジさん。
よほど口にあわなかったのか
ぶつぶつ文句を言っている。
「....。」
私は悔しさも緊張も通り越し、
放心して近くの椅子に座り込むと
レイジさんは手を止めた。
「しかしご安心なさい。
貴女は私の所有物なのですから。
貴女が私を失望させない間は...
側に置いて差し上げますよ。」
「レイジさん...!」
所有物なんて言い方をするけど
優しい表情に彼の思いが溢れていた。
それが伝わったことがとても嬉しくて
私は思わず涙をためて彼を見つめる。
「貴女が離れることなんて、
許しませんよ。」
「はい!」
こちらに近づき頭を撫でてくれる。
手つきの優しさに、
言葉の意味に溢れた涙を拭うこともせず
ただ笑うと
「......っ。」
おでこにキスが。
驚く私にふわりと笑いかけ作業に戻る。
「何を休んでいるのですか。
貴女も手伝いなさい。」
「はい!頑張ります!」
されるかと思って期待していた唇が
妙に寂しく感じた私。
いつの間にか欲だらけになってたことに気付いて
いつも満たしてくれていたレイジさんに
私はより深く惹かれてゆく。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
Next シュウ