第五夜
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「...スバルが、僕の##NAME1##さんを...
ねぇ、酷いよねテディ...うぅ...。
彼女は僕の、っく......僕のものなのに...っ。」
「チッ。めんどくせえ。
こいつに付き合ってたら日が暮れちまう。
行くぞ!」
「いたっ...!」
スバルくんは強引に私を引っ張り
私と彼、二人で部屋から出ることになった。
カナトくんは驚いて顔をあげたけど
スバルくんが走りだして
私はそれ以上カナトくんを見ることができなかった。
「は、はや...」
「あぁ!?聞こえねえ!」
「早い!ハァ、早いよ、スバルくん!」
尋常じゃないスピードで駆け抜ける。
屋敷から抜け出し、森を駆ける二人。
屋敷の中ほど安定していない足場に
何度も足を取られそうになりながら
必死に彼についていったがそろそろ限界だった。
「スバッ!!」
「ッ!!な、何だよ!」
「痛..い.....急に、止まるから止まれなくて」
抗議をしようと声を荒げると
急にスバルくんが立ち止まり
止まりきれなかった私は顔面から彼の背中に抱きついた。
ふと見上げるとスバルくんはほんのり顔が赤い。
「...離さねえのか?
なんだ、ここで吸って欲しいのかよ?」
かと思うとニヤリと笑って私の両手を取ろうとする。
「いや!待って!」
「嫌だ、待ちたくない。」
「それより何でこんなところまで...!」
「...。」
私から目を外し一直線に森の奥を見つめる。
眉を歪ませ、視線は冷たく鋭い。
目を凝らすように細めて何秒か見つめた後
そのまま目を閉じてしまった。
「......スバルくん?」
「うるせぇ」
集中しているようで声のトーンも低い。
邪魔しないよう静かにしていると
数秒後ゆっくりと目をあけた。
「...二人か」
「スバルくんどうしたの?」
手をとられてゆっくり歩きだした。
スバルくんがさっきまで見つめていた方向。
道と言える道がなく人の歩きならされた後もないため
更に足場が悪くて不安定に進む。
右手で握るスバルくんの左手で
バランスをとって何とかついていく。
「...。」
林を抜けるのを目の前に、
スバルくんは立ち止まり隠れるようにしゃがんだ。
私もそれに合わせてしゃがみ
その奥にあるものを覗く。
林の中にある小さな空間。
その真ん中には
もう何十年も使われていなさそうな廃屋。
窓ガラスも割れ、壁にもヒビが入っていて
建物全体が暗い闇に溶け込んでいる。
「......スバルくん、ここは?」
「シッ、静かにしろ。」
その廃屋に真っ直ぐ視線を送るスバルくん。
ーーさっきの二人って言ってたの、
まさかここの中に...?
スバルくんの真似をして私もじっと見つめる。
するとガラスの割れた窓から小さく灯りが漏れる。
「...チッ」
人影がゆらゆらと壁に写った途端
スバルくんは立ち上がる。
酷く苛ついた表情で私の腕を引っ張り私まで立ち上がらせた。
「痛いよスバルくん!」
「俺は自分のもん汚されんのが
だいっきらいなんだけどな、
きっとそれは他の奴等でも変わらねえはずだ。」
「何いって...?
き、きゃあああ!」
「うるっせんだよ!」
両手ともを片手で拘束されて
首もとに口を寄せ始める。
その行為に私の頭に
あの晩がフラッシュバックして
何かにとり憑かれた感覚で喉が叫び声をあげた。
「ハッ、煩くしてあいつら呼びたいってんなら
話は別だけどな。
...っ....ん......ッ....はあ。」
「あ...ッ!!......んんっ!...。」
肩に食い込む牙の感触。
あの晩の二人とも、私の大好きな人とも違う。
荒くて熱くて甘えるようなその痛みに
体の力が抜けていくようで。
「おい、もう立てねえのかよ。」
腰が抜けたように座り込む。
さっきから体が震えて座っているのも大変。
体が悲鳴をあげるように、
だけど甘い刺激を逃さぬようにと、
辛うじて背筋だけは伸ばしている。