第五夜
夢小説設定
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「カナトくん...!」
「なんなんだよ、
さっきから邪魔ばっかり入ってきやがって!」
カナトくんの登場に驚いた隙を見て
スバルくんの体を押し返し私は机から降り椅子に座り直す。
「邪魔って僕のこと?
ねぇ、僕が来なかったら何する気だったの?」
「何って...」
カナトくんはわずかに首をかしげながら
まっすぐこちらを見つめる。
テディを抱く手つきはいつも通り丁寧で優しい。
――カナトくんは気付いてる。
気付いててわざわざ聞いてる。
理由はきっと
「血を吸うところだったに決まってる。
来い!」
スバルくんがその通り答えてしまった。
その上私の右手首を掴んで歩きだし、
この部屋を出ようとする。
力強いその手は振り払おうにも
ほどける自信が全くない。
「待って」
珍しく低音で響くカナトくんの声
「ねえ?
僕、レイジに君の血を
もらっていいって言われたんだよ。
だから君は正式に僕のものだよ。
スバル、君もレイジにそう言われたの?」
胸が一瞬大きな音をたてて鳴った。
私の表情はそのまま凍りつく。
ーーカナトくんが欲するなら、
そうか、私はカナトくんの物になっちゃうんだ。
レイジさんが吸わなくなって、
カナトくんが欲するなら...。
それをレイジさんが良しとしたなら。
「はあ?そんなもん知らねぇ。」
「ならその子から手を離して。
##NAME1##さんは僕のものだよ。」
「だから知らねぇ!
こいつがお前のもんになろうが
まだレイジのもんだろうが
俺は腹が減った。
こんなところに置いとくのが悪い。」
「......年下のくせに生意気...」
ふと、
カナトくんが私たちに後一歩のところまで近づき
不思議そうな顔をして足も言葉も止める。
「いや、そんなことより...君...
...君の匂いが変わったように」
余裕に溢れていた表情が
徐々に不安気に染まっていく。
カナトくんの顔が強ばるにつれて私も鳥肌がたった。
他人の目の内に苛立ちや憎しみが灯るのを
こんなに至近距離で見たのは初めてだ。
「ねぇ...##NAME1##さん...っ!」
「触るな!こいつには指一本触れさせねえ。
今のこいつは俺のもんだ。行くぞ!」