第四夜
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「まさか勘違いなどしていないでしょうが、
私は貴女を助けた訳ではありませんよ。」
シャワーの音と混じるレイジさんの声。
冷えていた足に温かい湯がかかり泡が流れていく。
普通なら気持ちいいもののはずが傷ついた皮膚に染みり、
その一粒一粒の刺激に
またしつこいほど体内の痛みが走り出す。
「っ..........っつい!熱いです!!」
「でしょうね。」
シャワーの温度が少しずつ上がっていきいつしか熱湯に。
湯気が増えるのに反比例して、
シャワーの勢いは衰えて始めた。
「レイジ、さん!」
火傷しない程度の頃合いを見ていたのか
レイジさんはお湯を止めてくれる。
シャワーを置いて一つため息をつき
見下すようにこちらを無表情で見つめる。
「何故私が貴女のような
救いようもない馬鹿を
ヴァンパイアにしたかわかりますか?」
恐怖と体内の痛みと熱湯の余韻に
激しく動揺し頭が働かない。
私はレイジさんの表情と言葉を
見て、聞くことしかできず
返事をせずに見つめ返すのみ。
「おや?もう口もきけないのですか。
まあいいでしょう。」
レイジさんはクスリと笑うとこちらに歩み寄り
私のすぐそば、左側に膝をついて
右手で私の右後頭部を包んだ。
ふと、レイジさんの紅茶の匂いがして
自然と胸が落ち着く。
柔らかな手つきに密かに鼓動を高めていると
レイジさんは私の右耳に口を近づけ
低音の甘く響く声で囁く。
「ヴァンパイアになれば人間にはない
強靭な生命力を持ち得ることができる。
...そう易々と殺しませんよ。」
「...ッ。」
耳にかかる吐息が熱い。
言葉以上にこの状態に心がついていかず
体を縮込めて目を固く閉じ次を待つ。
「お前は私のものだ...。
醜く朽ち果てるまで
苦しみに耐え続けてもらうには
人間の体ではどうにもひ弱すぎる。
だから...」