第四夜
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「痛い、痛いですレイジさん!」
あれからもう20分以上
同じ右ふくらはぎばかり擦り続けられてる。
ふくらはぎはもう真っ赤になって
皮膚が削られているように感じる。
「おや?こちらの痛みも感じるのですか。
しかし止めませんよ。
これくらいしなければ...
いえ、これでも足りないくらいだ。
貴女の汚れを落とすには。」
「ッ!!」
擦る力が強くなる。
でも
レイジさんの言葉の意味を理解して
言い返す気にもなれずに目を伏せる。
身体中の痛みと別に与えられる痛み。
頭がおかしくなりそうだ。
「...レイジさんごめんなさい。」
呟いた謝罪は小さく消える。
スポンジとゴシゴシ擦れる音に
掻き消されそうなくらい小さく。
届かなかったのか返事はない。
だけど私も再び紡ぐことはできなかった。
ただ肩を震わせて、
堪えきれなかった涙が頬を伝う。
嗚咽を隠して静かに泣いた。
それがとても息苦しくても、
震わすだけで痛む体にも耐えて。
「鬱陶しいですね。」
スポンジがふいに足から離れる。
目を開くと
照明が殺気を漂わせるレイジさんを照らしていた。
眼鏡の奥の紅い瞳が熱を持つ。
「貴女は...」
レイジさんの長い足が私の膝に乗る。
靴底が私の膝の皮膚を捕まえる。
「どうしてこんなに愚かなのか。」
足首を持つ手は離さない。
そして私の膝に乗った
レイジさんの足に少しずつ力が加えられる。
関節とは真逆に加えられる力。
「...ッ!」
「この足が折れてしまえば、
貴女の愚行も防ぐことができる...。」
徐々に加えられる力、
悲鳴をあげるように足が大きく震える。
レイジさんに加えられる力に反応して
身体中を巡る痛みが足に集中する。
「いッ!.....くっ.....。」
歯が鳴るくらいくい縛り痛みも声も我慢する。
レイジさんは力を加えれば加えるほど
愉快な表情になっていった。
「ハハハハッ!
そんなに苦しいのですか?可哀想に。
身体中も言葉で表現し難いほどの
苦痛に蝕まれているところを、
こんな風に新たな痛みを与えられて...。
しかし貴女には足りないでしょう、ね!」
「......ッ!!!!!!!!」
最後にグッと足に力が込められ私の膝が大きくしなった後、
レイジさんの手から私の足首が解放される。
床に打ち付けられた足全体に
また恐ろしいくらい激痛が押し寄せる。
「靴が汚れてしまいましたね。」
レイジさんは私から離れて革靴を
心配するような台詞を吐くけど
目線は私から反らすこともなく
寧ろ苦しむ私を楽しそうに見つめている。
「貴女の足を折っても
そのあとが面倒ですからね。
そうして苦しんでいる方がずっといい。」
心底愉快そうに笑う彼に対し
私は未だに引く気配もない痛みに
這いつくばって耐える他なかった。
ーー痛い、痛い、でも、
レイジさんを裏切った罰だというなら
こんなの、
堪えきれなくちゃいけない...!
先程から止まらない涙で視界は滲み、
すぐ目の前にある壁さえはっきり見えない。
「どうしてそんなに身体中が痛むのか、
教えて差し上げましょうか?」