コーデリアから
体を張って私を守ってくれた。
あれほど言っていた蘇生薬も後回しにして
私のために薬を調合してくれていた。

言葉はキツくても
心は優しく暖かい人。


私はレイジさんに、嫌われたくない。
飽きられるなんて絶対に嫌だ。
どうすればいい？どうすれば...



「ユイ、 小森ユイ！」

「っ！はい！」

「.........貴女は最近、
考え事ばかりなさっていますね？」

「......」

「...はぁ。来なさい」


いきなり腕をとられる。
乱暴なのに優しい。

レイジさんはいつも
本当の意味で、私に痛くしない。


「私と居るのに考え事など、
いつからそのように偉くなったのか...
教えて頂きたいものですね。」

「ごめんなさい、そういうつもりは...」

「言い訳は聴きたくないと、
以前から何度も言っているのに...
貴女の学習能力は猿以下ですね」


言葉と同時に
レイジさんのベッドに投げ捨てられた。
反動でベッドと浮き沈みを繰返し
レイジさんの顔がぶれる。


ーー今日もまた、痛く吸われるのかな...。



「何を考えているのか
当てて差し上げましょうか？」


フン、
と鼻を鳴らしてレイジさんはこちらに近づく。
眼鏡を取って机においても
私と目をそらさない。

その目に私は引き付けられるように
視線を外せないどころか、
体が疼くのを感じた。



「今日も血を吸ってもらえる、違いますか？」

「...」

「本当に貴女は、分かりやすい人だ」



愉しそうに笑うレイジさんが
徐々に近づいてくる
3m、2m、1m......

その度胸が、苦しくなって
体が熱を帯びてきて...


『つまらない』


「...っ!!!」

「...？」