第三夜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
左腕に包帯が巻かれている。
「.......なんで?どうして?」
涙が止まらないまま包帯に触れる。
だけど、
誰がどういう経緯で治療してくれたとしても、
そんなの結局関係ないんだ。
ーー私はレイジさんを裏切った。
レイジさんに反抗して、
事実を偽ろうとして、
レイジさんの優しさに甘えて、
レイジさんに嫌われた......。
それが事実。
何も変わらない。
もう謝ることもさせてくれないかもしれない。
生き永らえたのは『彼の気分』で、
好意なんかじゃないんだ、もう。
勘違いそうになる。
淡い期待なんて辛いだけ。
涙と一緒に落として忘れよう。
そんな気持ち、こんな気持ち。
持っていない方が楽だ。
「......レイジ、さん...」
わかっているのに、
どうしてこんなに
こんなに愛しいの。
だって、
こんなに丁寧に包帯を巻く人なんて
この屋敷の兄弟で
あの人以外の誰がいる?
「.......。」
ーー駄目だ。
やっぱり、お礼が言いたい。
あの時一番後悔したこと。
どうせ死ぬならいずれ殺されるなら
体を起こして部屋を出る。
貧血は少しましになっていたみたい。
体を痛みさえ我慢すれば歩ける。